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【インタビュー】『リズと青い鳥』みぞれ役・種﨑敦美×希美役・東**央スペシャル対談[前編]-「台本を最後まで読み切ったときは泣いてしまうほどでした」京都の北宇治高校吹奏楽部を舞台にしたTVアニメ『響け!ユーフォニアム』(以下『ユーフォニアム』)。その劇場版三部作の第2弾となる『リズと青い鳥』は、3年生になった鎧塚みぞれと傘木希美の物語。TVシリーズの第2期では疎遠な状態から始まり、黄前久美子や吉川優子たちの助けも借りて和解したふたりの未来は、どのように描かれていくのか。みぞれ役の種﨑敦美と希美役の東**央が、その思いを語る。
アイスクリームを持ったみぞれと希美のふたりが描かれた「超!アニメディア」トップイラストと同時に公開するのは、対談の前編。
後編は、劇場版公開日の4月21日(土)にアップされる予定だ。後編には公開後にしか話せない内容も含まれているが、まずは前編を読んで、本作の内容にぜひ想像をふくらませていただきたい。
――まず、『ユーフォニアム』の劇場版の新作第2弾がみぞれと希美の物語になると聞いたときの感想を教えてください。
種﨑 完全なサプライズだったのですが、聞いた瞬間はみぞれと希美、二人の物語の続きが見られる嬉しさで溢れました。でもその後すぐにTVシリーズで雨降って地固まったはずの二人の続きということは…?と。その時にみぞれとしての思いは出し切ったつもりだったので、またあれほどの熱量が出せるだろうかという不安も感じました。本当にストーリーの予想が全くつかなかったので(笑) 東山 私は、続編の決定をSNSで知ったんです。宇治で行われた『ユーフォニアム』のイベントにうかがうことができなかったので、イベントが終わったあとにチェックしてみたら発表されていて。「新作? 3本? みぞれと希美!?」と驚きました。それと同時に、TVシリーズ第2期の新キャラクターだったみぞれと希美でまるまる1本の映画を作るということには、プレッシャーもありました。 ――実際に台本をもらって、物語に触れてみていかがでしたか? 東山 最初に『リズと青い鳥』というタイトルを見たときは、なんでこのタイトルになったんだろうって疑問だったんです。でも、台本を読み進めて『リズと青い鳥』に込められた意味を知って鳥肌が立ちました。最後まで読み切ったときは泣いてしまうほどでした。 種﨑 私は、みぞれが希美に対して感じた気持ちは、学生時代に味わったことがあるんです。ですから、経験したことがある感情がたくさん詰まっているなと感じましたし、彼女たちの心の動き、変化は理解と納得がとてもできました。それから、みぞれだけではなく、劇場版では希美の気持ちもとても理解できたんですね。希美はTVシリーズよりもだいぶ人間くさくなっていて、みぞれ以上に共感できる部分が多かったです。でも、奈央ちゃんはそうじゃなかったんだよね? 東山 そうなんですよ。私は、みぞれの感情はわかるけど、希美の考えていることが最初わからなかったんです。TVシリーズでは天真爛漫でまっすぐで、(中川)夏紀の憧れになるくらいの、まぶしくてキラキラしている女の子だと感じていて、すごく尊敬できたんです。でも、劇場版の希美は、人が大事な話をしているときに目がうつろだったり、足元を遊ばせていたり、はぐらかして逃げようとしたり……。人間の持つずるい感情が見え隠れし始めて、TVシリーズとのギャップに、理解が追いつかなかったんです。 種﨑 希美がみぞれに対して持っていた感情のひとつって「自分が大事にしているものを、その大切なものへの気持ちが自分よりも大きくないあとから来た人が、簡単に持っていっちゃうような気持ち」だと思うんですね。そのことに対して、「才能なのかな、いやだな」「なんで私にはその才能がないんだろう」って思っちゃったのが希美で、私はその気持ちがすごくわかるな。 東山 私は、才能を持っている人に嫉妬するより先に「すごい!」って感動しちゃうタイプなので、ナンバーワンになりたい気持ちが自分の中で結びつかなかったのかもしれないです。でもそういう感情の種は私にもあるので、希美の気持ちも徐々に共感していくことができたと思います。
続きは、4月21日(土)に公開予定の対談後編をお待ちいただきたい。なお、後編の内容の一部は、4月10日(火)発売の『アニメディア5月号』に掲載されるので、要チェックだ。 また、『アニメディア5月号』には山田尚子監督のロングインタビューも掲載される。そのインタビュー冒頭を、「超!アニメディア」にて先行公開! こちらもあわせてチェックしてほしい。 ◆プロフィール
東**央【とうやま・なお】 3月11日生まれ。東京都出身。インテンション所属。
種﨑敦美【たねざき・あつみ】 9月27日生まれ。大分県出身。俳協所属。
<映画『リズと青い鳥』情報>
4月21日(土)より全国劇場で公開
◆あらすじ
北宇治高校吹奏楽部に所属するオーボエ担当の鎧塚みぞれとフルート担当の傘木希美。2年生のころ、退部していた希美が部に戻り、ふたりは3年生になった。そんなふたりが出場できる最後のコンクールの自由曲は「リズと青い鳥」。オーボエとフルートのソロの掛け合いがあるこの曲に、希美は「自分たちのようだ」と屈託なく告げる。しかしみぞれは、「リズと青い鳥」のようにいつか来る別れを恐れ、ふたりの歯車は噛み合わなくなっていく。
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