オルトプラス社ホームページのIRにて、ダイハードテイルズ社がIPを管理運用しその出版権をKADOKAWA社が有するIPである「ニンジャスレイヤー」のモバイルゲームについて、正式な開発停止がアナウンスされました。
今回のアナウンスを受け、我々が管理するニンジャスレイヤーというIPへのダメージを最小限にするために、ダイハードテイルズ社としてこのようなIR記事を書き、我々が最も大切なステークホルダーであると考えている親愛なる読者の皆さんに対し、適切な情報を開示していこうと考えた次第です。
ダイハードテイルズ社としては2015年度中に相当量の資料作成と監修を行っていたこと、また開発現場の方々が実に素晴らしい仕事をされていたこともあり、開発継続の目処が立ちリリースが行われることを願っていましたが、今回の決定に至ったことを残念に思っています。
ただし、開発停止については以前から決定していたことであり、今回のアナウンスによってダイハードテイルズ社や所属作家のモチベーションに対するダメージは特に発生しておりませんし、むしろようやく正式に発表されてスッキリしています。ただ、このゲームを楽しみに待ってくれていた読者の皆さんにとっては、これが初めての正式なアナウンスとなり、大きな落胆であろうと考えています。
我々はこの決定をできるだけ早くアナウンスしてもらいたいことを、委員会を通して伝え続けていました。ひとつには、ニンジャスレイヤーのIPを使ってモバイルゲームを作りたいと思っている競合他社が存在した場合、既に大規模なものが開発中であるというリリースが打たれている場合、問い合わせに至らず機会損失となるのではないかと心配したからです。もうひとつは単純に、ゲーム配信とレベニューから得られるであろう当社の収益予測についての経過報告が出せないまま、ダイハードテイルズ社のステークホルダーの皆さん(あなたです)を待たせ続けるのが良くないと考えたからです。
最終的にここまで遅くなってしまいましたが、こうした大型案件は、決算期ごとの適切な開示タイミングなどの問題もありますし、オルトプラス社が最後まで粘り強く開発再開に向けて調整を続けていただいたためであろうと考えております。
どんなゲームになる予定だったのか折角なので、どんなゲームになる予定だったかを簡単にご紹介しておきます。
システムについてはそこまで奇をてらったものは搭載せず、世界観を反映した名称などは多少あれども、一般的なモバイルRPGのそれと同じにし、とにかくキャラクターの魅力を全面に押し出すことが想定されていました。
システムよりも我々が重視したいと考えたのは、ニンジャスレイヤーというIPが持つイメージをどのように歪めず正しく伝え、かつ拡張し、新たな広がりを生み出すかでした。より平易に言えば、どのようにしてゲームから原作への導線を作るのかという事です。
2015年の時点でアニメ第2期は決定しており、第2部キャラについてはレギュラーキャラ含めて絵柄も変わることもおおよそ決まっていたので、アニメ版権キャラのみではなく、物理書籍のわらいなくさんデザインを含め、各種メディアミックスの全ての絵柄が同居できるようなものにする必要がある(同一キャラでも複数の絵柄/モーションでリリースできる)というが大前提でした。
※2015年末頃の状況についてはこちらのIR記事を参照してください。
そのため先方の提案通り、豊富なモーションのSDキャラを主体とし、また我々の意向として原作1部から3部までの人気キャラを惜しみなくリリース第1弾から投入していくことを、互いに合意しました(最初はプロデューサー的な方から「女子キャラが少ないので新キャラを作っては」などと提案されたので、原作の豊富なリソースを提示し、その必要はないこと、むしろこれらの人気キャラも出さずに新規キャラクターを投入すればIPへのダメージになることなどから逐一説明し、合意を得ていきました)。これにより、KADOKAWAに蓄積されたわらいなくさんの素晴らしいニンジャデザインやイラストレーションの数々を有効に活用できるだろうと考えました。
加えて「コトダマ空間の多次元化とミーミーの暴走」をメタ的な設定として持ち、同一キャラの多重ログイン(というていのパーティ編成)を可能としました。より野心的な目標としては、シナリオへの積極的な協力により、第3部ラストとエピソード上のリンクも作ってみたいと考えていました。
ちなみに第1弾キャラとして予定されていたのは、例えば以下のようなキャラです(ここに示すのは一部です。また敵専用キャラやイベントキャラは除きます)
ニンジャスレイヤー、ニンジャスレイヤー(ナラク)、スーサイド、ダークニンジャ、シルバーキー、タカギ・ガンドー、フォレスト・サワタリ、ブラックヘイズ、ヒュージシュリケン、アースクエイク、シルバーカラス、ジェノサイド、デスドレイン、ランペイジ、ソニックブーム、クラウドバスター、ミュルミドン、ディスターブド、ノトーリアス、フロッグマン、ドラゴン・ゲンドーソー、ビホルダー、ダイダロス、ヘルカイト、コッカトリス、シャドウウィーヴ、アーソン、ネザークイーン、スキャッター、オフェンダー、アコライト、フロストバイト、エルドリッチ、ブラックドラゴン、ドラゴンベイン、ブルーブラッド、ケジメニンジャ、チバ&ネヴァーモア、ユンコ、レッドハッグ、パープルタコ、ヤモト、武装ナンシー、エーリアス、イグナイト、ストーカー、ユカノ、アムニジア、エトコ、ブラックウィッチ、ディグニティ、ダイアウルフ、ブラックウィドー、ディミヌエンド、フォーティーナイン、シキベ・タカコ電子体、アズール、フェイタル
既にSDキャラとして完成しグリグリ動いていたヤモトやショーゴーやシャドウィーヴの絵や、進化状態まで含めた各種カードイラストなどをぜひ皆さんにも見ていただきたいですが、さすがにその辺りは権利の色々がありますので、イマジネーションで補っていただければと思います。制作現場にはニンジャヘッズの方も多く、しばしば送られてくるカードイラストやSDキャラなどがステージを動いているのを見るのが、所属作家一同、とても大きな喜びでした。ともかく、開発現場の皆さんにはこのIRの場を借りて改めて大きな謝意を伝えさせていただきたいと思います。
以上のように、オルトプラス社による開発停止が正式にアナウンスされましたので、ニンジャスレイヤーのIPを用いてモバイルゲームを作成したいと思っている方は、規模に限らずダイハードテイルズ社までぜひご一報ください。大規模な案件に関しては、KADOKAWA社の窓口を紹介させていただきます。
追補編
同様にニンジャスレイヤーの目覚ましアプリですが、制作会社である株式会社WPSが無くなったため、Android版及びiPhone版のリリースができない状態のようです。2017年4月中には別会社からリリースされるという報告を受けていましたが、ニンジャスレイヤーだけでなく、その他に出る予定だったKADOKAWA系IPの目覚ましアプリもリリースされていないので、そういうことなのだと思います。
ちなみに製品自体は去年の段階で既にできており、ニンジャスレイヤー役森川さんのめざましアプリ用音声収録を行い、翻訳チームの二人も収録スタジオに立会い、ボイス内容についても全監修を行っています。せっかく作ったのですからリリースして欲しいと思っていますし、出ないのであれば出ない経緯を説明したほうがIPへのダメージを防げると思うのですが、会社がなくなっているのではさすがに無理だと思いますし、とはいえ気になっている方も多いと思うので、IRとして報告いたしました。
なお、以前からKADOKAWA社により調整中の大型メディアミックス案件というのは、これらとは関係なく、継続して企画が進行中です。こちらに関しては、何か動きがあり次第お伝えしていこうと思いますが、ダイハードテイルズ社としてはかなりの長丁場を見込んでいます。
ダイハードテイルズ出版局