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[新闻] [全日文]2010年特殊映像総決算!!

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发表于 2010-12-27 17:59 | 显示全部楼层 |阅读模式
animeanime.biz
特殊映像ラボラトリー 第27回 「2010年特殊映像総決算!!」 PART1

斉藤 守彦
[筆者の紹介]
1961年生れ。静岡県浜松市出身。
映画業界紙記者、編集長の経験の後、映画ジャーナリスト、アナリストとして独立。「INVITATION」誌で「映画経済スタジアム」を連載するほか、多数のメディアで執筆。データを基にした映画業界分析に定評がある。「宇宙船」「スターログ日本版」等の雑誌に寄稿するなど、特撮映画は特に得意な分野としている。

【日本映画/アニメ=
 1本1本が健闘し、いずれも好成績を収めた2010年。】

■ 前作興収対比521%を記録した「ONE PIECE−」 

2010年に公開された、日本製アニメ映画の、興行収入10億円以上の作品は、下記の9番組。

 「借りぐらしのアリエッティ」 (東宝配給/7月公開)92.5億円
 「ONE PIECE/STRONG WORLD」(東映/正月)48億円
 「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール/幻影の覇者ゾロアーク」(東宝/7月)41.6億円
 「名探偵コナン/天空の難破船」(東宝/4月)32億円
 「ドラえもん・のび太の人魚大海戦」(東宝/3月)31.6億円
 「クレヨンしんちゃん/超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁」(東宝/4月)12.5億円
 「ブリキュアオールスターズDX2/希望の光☆レインボージュエルを守れ!」(東映/3月)11.5億円
 「劇場版銀魂/新訳紅桜篇」(ワーナー/4月)10.66億円
 「劇場版NARUTO疾風伝/ザ・ロストタワー」他(東宝/7月)10.3億円

 以上、興収10億円以上9番組の興収をトータルすると、290.66億円となる。これは2009年の9番組203.3億円、「崖の上のポニョ」(興収155億円)のあった2008年の6番組285億円を上回る成績で、1本1本の作品が確実な興収をあげたことを示している。今年は年間興収が歴代新記録を樹立するらしい、我が国の映画マーケットへの貢献度も高いことから、2010年の日本製アニメ映画は、総じて好調であったと言えるだろう。
 とはいえ作品それぞれを見ていくと、上位9本のうち7本を占めるファミリー・アニメには、前作と比べて興収の増減が見られた。

 増減の“増”の代表は、「ONE PIECE/STRONG WORLD」で、2008年春に公開された前作「ワンピースTHE MOVIE/エピソード・オブ・チョッパー+冬に咲く、奇跡の桜」は、興行収入9.2億円。「−STRONG WORLD」の48億円と単純比較すると、実に「−STRONG WORLD」は前作対比521.74%もの伸びを示したことになる。
 この大ヒットの背景については、当連載で東映の谷口宣伝プロデューサーのインタヴューを2回に渡って掲載したので、そちらを参照されたい。原作者・尾田栄一郎氏を製作総指揮他に担ぎ出し、尾田氏描き下ろしのコミック0巻を入場者にブレゼント。さらにTVシリーズでは映画と連動したエピソードをオンエアし、シアター・マーケティングとタイアップも大規模に展開。製作委員会各社のメディア・パワーをフル稼働しての「アニメ10周年、映画10本目記念」興行は、大成功に終わった。注目の新作はなんと3Dバージョンで「ONE PIECE 3D/麦わらチェイス」で、3月19日から公開される。

 春の定番番組「ドラえもん」も、「ヤッターマン」の影響を受けた前作の24.5億円と比べて7.1億円増の興収31.6億円と、例年の30億円ペースに復調。ただし2008年の「のび太と緑の巨人伝」が33.7億円、07年の「のび太の新魔界大冒険」が35.4億円をあげたことを考えると、緩やかなカーブを描いて下降していることもまた見逃せない。ゴールデン・ウィークの「クレヨンしんちゃん」シリーズは、新作「超時空!嵐を呼ぶオラの花嫁」の出来が良く、興行面でも前作対比2.5億円の増額を果たした。
 東映が春と秋の2回に渡って製作・配給している「プリキュア」シリーズの春バージョン「ブリキュアオールスターズDX2/希望の光☆レインボージュエルを守れ!」も、前年の10.1億円から11.5億円と、1.4億円のアップ。この作品は春、秋ともに「ドラえもん」のような拡大マーケットではなく、全国150〜160スクリーンでの展開であることから、1.4億円の増収は大きい。最近ではTVシリーズのクォリティも高く、娘を連れて来場した母親のほうが夢中になるケースも顕著だとか。
 「劇場版NARUTO疾風伝」の新作「ザ・ロストタワー」も、前作対比1000万円の増額。こちらは例年260スクリーン前後で公開されており、観客の側にも鑑賞習慣が出来てきたことから、安定期に入ったと見られる。

 さて一方、前作を下回った“減”作品では、夏の「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール/幻影の覇者ゾロアーク」がある。前作が46.7億円だったことから、マイナス5.1億円。「プリキュア」シリーズとは対照的に、毎年360〜370スクリーンでの拡大公開を行っていることから、数パーセントのダウンも金額にすると大きな減収になってしまうのだ。なお「ダイヤモンド・パール」シリーズは今年で終了し、2011年からは新たに「ベストウィシュ」シリーズがスタートするという。「全く新しい冒険、感動、ファンタジーが君を待っている。」との惹句通り、新鮮なインパクトを、興行面でも期待したいところである。
 「名探偵コナン」も、前作対比3億円の減。だがこのシリーズは、これで2年連続「ドラえもん」の興収を上回ったことになる。幼児層を狙った作品より、ティーンから20代がコア層のアニメが安定した成績を示すあたり、長引く不況の影響なのだろうか。

■ ジブリ・ブランドがなぜ強いのか、今さらながら考えてみた。

 ワーナーのローカル・プロダクション作品「銀魂」は、全国90スクリーンでスタートするも、好評のため、のべブッキング数は142に達した。「スカイ・クロラ」「サマーウォーズ」と、日本製アニメ映画を手がけてきたワーナーだが、それぞれの作品の個性に応じたマーケティング・ノウハウは確実に蓄積されているようだ。2011年は実写版、アニメ版、2つの「忍たま乱太郎」が公開となる。新たなるトライアルに期待しよう。
 本年度日本製アニメ映画興行収入トップは、スタジオジブリ他の製作による「借りぐらしのアリエッティ」。興収92.5億円は、ジブリの前作である宮崎駿監督の「崖の上のポニョ」の155億円にはかなわないが、実写映画も含めて、日本映画の新人監督作品としては、歴代最高の興収だ。さすがはジブリ。今やジブリ・ブランドは、確実な興行収入を生むヒット・ブランドであることに異論を唱える輩はいないだろう。だが正直に言うが、今回の「アリエッティ」の興行に関して、筆者は大きな危機感を持っていた。当初予想した興収は、実際の興収の半分以下の額であったことを、白状しよう。

 なぜ、そう考えたのか?
 まず「アリエッティ」が、メアリー・ノートンの原作をもとに、ジブリ生え抜きの米林宏昌監督が手がけた作品であったから。所謂“宮崎アニメ”のブランド・リーダーたる宮崎駿監督は今回、企画・脚本という立場だが、アニメ映画制作の基盤となる画コンテには参加しないという。これによって、麻呂監督の個性は発揮されるが、逆に万人を惹きつける、宮崎監督のタッチは希薄になるのではないかと予想したのだ。加えて麻呂監督は、「ゲド戦記」でデヴューした宮崎吾朗監督のように、話題性に富んだバッグラウンドを持っていない。ならば興行的な成功を収めるためには、作品の良質さ、クォリティの高さを前面に押し出すことが得策だが、制作スケジュールの遅れから、試写会を連発して作品を評論家、ライターたちに見せ込み、クチコミを喚起することも難しいときた。それが筆者が抱いた危機感の正体だ。
 「ハウルの動く城」の、例の“宣伝をしない宣伝”以来、ジブリ作品にはマーケティング用語で言う「エンバーゴ」の手法が、宣伝に用いられている。「エンバーゴ」とは、特定のタイミングを定めて、その時点であらゆるメディアに情報を開示し、集中的に話題性を煽る方法で、これは日米同時公開のハリウッド映画の大作などに、よく用いられている。と言うより、短期間で作品の知名度を高めるためには、必然的にこの方法をとらざるを得ないのである。

 無論要所要所で情報開示や記者会見などで話題作りは行っていくが、何と言っても興行の命運を左右するのは、公開前1ヶ月間におけるアド展開とパブリシティの盛り上がりだ。“宮崎アニメ”っぽさが希薄な「アリエッティ」に対して、国民の好奇心を高め、鑑賞意欲を高めるためには、どのような方法をとるのだろうか。それには注目していた。公開直前になり、話題作に相応しく各雑誌がこぞって「アリエッティ」の特集を組んだがその内容たるや、「アリエッティとスタジオジブリ」といった切り口で、いずこも同じように、カラーページにはジブリの旧作のポスターを並べ、テキストの類は、無論麻呂監督のインタヴューなどはあるが、総じてジブリという組織の実績や素晴らしさを誇示したものばかりであった。なぜ新作公開直前というタイミングで、制作会社の実績をここまでデモンストレーションするのか?理解に苦しんだ。肝心要の「アリエッティ」の内容よりも、ジブリの社内報かと思うほどジブリ一色に染まった雑誌さえあった。果たしてこれで、「アリエッティ」の鑑賞意欲を高めることが出来るのだろうか?
 世に言う「ジブリ・ブランド」を形成しているのは、どのような人たちだろうか?「アリエッティ」にも原作はあるが、最新のベストセラーや雑誌連載で絶大な人気を持つ原作ではない。また、ここ数年のジブリ作品は、すべて劇場用オリジナルであり、オンエアされたTVシリーズを再編集した作品はない。つまり、ジブリ作品のファンとは映画館やパッケージ・メディア、TV放映などで、作品そのものに触れた観客、視聴者たちに他ならないのだ。原作が好きだから、TVシリーズのファンだったからといった“間接的”作品支持者は、ジブリ作品に関する限りマイノリティだと言って良いだろう(中にはメアリー・ノートンの熱狂的ファンもいるだろうが)。

 例えば「ONE PIECE/STRONG WORLD」が、前作対比521%もの興収をあげ、その成功要因が原作のファンを大挙動員出来たからだという事実。逆の見方をすれば、これまで劇場版「ONE PIECE」は、原作ファンの数パーセントしか動員出来ていなかったことを意味しないだろうか。それに対してジブリ作品の場合は、作品そのものを見た観客たちが、そのままジブリ作品のファンとなり、その蓄積が、所謂「ジブリ・ブランド」を構成している。映画が原作やTVに依存するのではなく、作品そのもののパワーと魅力で観客を惹きつけ、作り手たるジブリのファンを増やしていく。考えてみれば、すこぶるまっとうな手段で、ジブリ・ブランドは形成されているのである。「アリエッティ」の大ヒットは、過去の作品における、信頼の蓄積が新作映画の興行にも反映されることを、改めて思い知らされた。
 劇場公開ではコケた「となりのトトロ」が、その後キャラクター商品やパッケージ・メディアでジブリに多大な収益をもたらした時、宮崎監督は言ったそうだ。「良い映画を作っておけば、ずっと商売が出来る」と。だから「アリエッティ」の期待感を高めたのは、ジブリという制作会社が生み出した作品の面白さ、楽しさを改めて認識してもらうこと。それこそが、映画宣伝においてまっとうな、王道たる手段だったのである。いつもながら鈴木敏夫プロデューサーの手腕には、唸らされるばかりだ。

■ 「涼宮ハルヒ…」「リリカルなのは」が、根強い人気を見せる

 正月から11月まで、興収1億円以上をあげたアニメ作品(番組)を振り返ってみよう。
 クロックワークスが配給し、2009年11月から公開されていた「劇場版マクロスF 〜イツワリノウタヒメ〜」は、のべ111ブックで興収6.45億円を計上。またアスミック・エース「東のエデンPART1」は“結果ロングラン”となり、のべ54ブック興収1.5億円をあげた。東宝の正月番組「宇宙戦艦ヤマト・復活篇」「レイトン教授と永遠の歌姫」は、それぞれ興収約4.3億円、約5.89億円と公開規模から見て、今ひとつ。
 年が明けて、1月に公開されたアニプレックス配給の「魔法少女リリカルなのは THE MOVIE 1st」は、のべ72ブックで興収3.8億円をあげた。このうち3スクリーンで再上映が行われるなど、根強い人気を見せている。クロックワークス=ジェネオン「劇場版Fate/stay night Unlimited Blade Works」は、のべ66ブックで2.8億円を計上。
 2月のエポックは何と言っても「劇場版涼宮ハルヒの消失」だ。2時間43分という長尺ながら、のべ102ブックで興収8.3億円をあげたのは立派。春の定番番組のひとつ「超劇場版ケロロ軍曹/誕生!究極ケロロ奇跡の時空鳥であります!」他だが、今年は「ドラえもん」とのバッティングを避けるため、2月27日初日と設定された。のべ181ブックでの興収は2.3億円と、前年の同番組の4.6億円のジャスト半分。2011年は休み、新たな体制で2012年にお目見えするとのこと。
 3月公開作品では、アスミック・エース「東のエデン劇場版II Paradise Lost」が、のべ41ブックで興収1.2億円を計上した。
 
■ 興収8億円を上回った「ガンダムOO」のマーケティング 

 下半期に入り、7月には、これまた定番の東京テアトル=メディアボックス配給「それいけ!アンパンマン/ブラックノーズと魔法の歌」他が公開され、1日1〜2回の上映ながら151ブックで興収3億円をあげた。昨年の同番組の興収が3.4億円なので、微減といったところ。松竹の「昆虫物語みつばちハッチ/勇気のメロディ」は、224ブックの展開になったが、興収3.09億円はちょっと厳しい。
 8月の公開作品では、何といっても原恵一監督の「カラフル」が話題を呼んだ。これが東宝配給で興収約2.99億円という成績。オープニング・スクリーン数は104と、東宝としては絞った展開となったが、これは松竹が配給した同監督の前作「河童のクウと夏休み」の101スクリーンと同等の規模。だが「河童のクウ…」がねばり強い興行で興収3.6億円をあげたことを考えると、今ひとつの感がぬぐえない。宣伝が難しい作品であることは事実だが…。また東宝が8月に公開した「映画メタルファイト ベイブレードVS太陽…」他は、興収約4.66億円と、前年(約6.6億円)に比べて2億円近いダウンとなった。

 9月18日から公開された、松竹配給「劇場版機動戦士ガンダムOO」は、完全新作オリジナル版がウリ。全国88スクリーンでスタートし、興収実に8.46億円。このマーケット・サイズとしては大成功の部類に入る。松竹が配給した最近のガンダム・シリーズには、2005年と2006年に公開された「機動戦士Zガンダム」3部作があるが、3部作中最高の興収をあげた「星を継ぐ者」(8.62億円)が、オープニング・スクリーン数83で、オープニング成績11万6581名、興収1億6074万2300円。1スクリーン当たりのオープニング興収は193万6654円であった。対する「ガンダムOO」は、全国88スクリーンでスタート。オープニング成績は18万1633名、興収2億4962万8400円(ただしこちらは、3日間集計)、1スクリーン当たり興収283万686円と、「星を継ぐ者」以上のスタートダッシュになったことが分かる。
 小規模展開ということで、当然1スクリーン当たりの興収は高くなり、加えてショップでの関連商品も、売り切れが続出する好調ぶりだったと聞く。そうした声とこの成績を見比べると、いささか天の邪鬼ではあるが、「もうちょっとスクリーン数を増やしたほうが良かったのでは?」という気がしないでもない。無論松竹としても、充分に過去の興行展開なども研究した上で、マーケティングしたと思うが、今回は「Zガンダム」3部作と違い、完全な新作映画。製作費も「Z」3部作よりもかかっていることは明らかだ。アニメ映画製作費の9割は人件費と言われている。試しにある製作関係者に「劇場用のアニメ映画を1本製作するために、スタッフを1年間拘束した場合、製作費はいくらかかるか?」と聞いてみた。すると「作品のスケールにもよるが、うちの場合ならば2〜3億円ほどだろう」との回答があった。「ガンダムOO」の製作期間、製作費は明らかにされていないが、このコメントを聞く限りでは、かなりの金額がかかっていると見て間違いないだろう。
 上半期決算にも書いたように、「製作費=興行価値」ではない。むしろ興行的ポテンシャルを高めるのは、配給会社と興行サイドの役目だ。現在各配給会社ともに、製作費とマーケット・サイズのバランスを模索しているが、こういう局面でこそ、多くの作品を扱う大手配給会社の手腕を見せて欲しいものである。

 10月にテアトル系を中心に、全国162スクリーンで公開された、東京テアトル配給の「おまえ うまそうだな」は、現時点で興収1.6億円を見込んでいる。現在も上映が続いており、ローカルからの引き合いもあることから、最終的には200ブックに達するだろうとのこと。
 春の「ブリキュアオールスターズDX」シリーズに対して、秋の「ハートキャッチプリキュア」は興行時期の問題か、興収面で春に及ばないことが多かったが、今年10月に公開された「ハートキャッチプリキュア/花の都でファッションショー…ですか!?」は、興収9億円をあげて前年秋の8億円を上回った。こちらも調査時点では上映中であることから、最終的には限りなく10億円に近い成績となることだろう。春と秋の「プリキュア」2本で、20億以上の興収をあげた。これは快挙と呼ぶしかない。
 
■ 「マイマイ新子…」6400万円に。

 主に100ブック以下で上映された、小規模公開作品について触れておこう。
 まず、何かと話題になった「マイマイ新子と千年の魔法」だが、公開から1年の時点で、累計興収は6400万円に達した。ちょうど前年の同時期に興収を調べたところ4800万円であったから、この1年間で1600万円の上積みがあったことになる。決して大きな増収ではないが、コツコツと上映を重ねた映画館サイドの地道な努力の結晶だ。正月の「よなよなペンギン」は、興収8400万円。これまた製作費とのバランスが、気になるところである。
 3月にテアトルダイヤを中心に、10ブックで公開されたアスミック・エース配給の「イヴの時間・劇場版」は興収2000万円。そのバックグラウンドは、当連載の「『イヴの時間』に何が起こったか?」を参照されたい。クロックワークスが配給した、4月の「劇場版トライガン」、5月の「劇場版“文学少女”」は、それぞれ23ブック、34ブックで7200万円、5900万円をあげている。異色作「いばらの王」は、角川映画の配給で5月に公開され、40ブック計興収5800万円。作品評価が高かった、アニプレックス配給の「宇宙ショーへようこそ」は、のべ53ブックで興収7200万円という結果だった。これは6月27日という初日設定に問題があるのではないだろうか。「踊る大捜査線THE MOVIE3」など、各社一押しの夏休み作品が、翌週から続々スタートする時期とバッティングしたことで、特にシネコンでは2週目以降の上映回数に影響が出たものと筆者は考える。可能な限りファミリーで楽しんでもらいたい、傑作アニメだけに残念だ。同じくアニプレックスの「マルドゥック・スクランブル/圧縮」は、テアトル新宿を中心に5ブック計1850万円だが、本作品も上映は継続されており、今後もさらなる上積みが期待される。

(一部推定/2010年12月17日現在/msdb調べ/ただしクロックワークス配給作品のみ、2010年7月現在)
データ提供に協力してくれた、各配給会社に深く感謝します。
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 楼主| 发表于 2010-12-27 18:00 | 显示全部楼层
特殊映像ラボラトリー 第27回 「2010年特殊映像総決算!!」 PART 2日本映画/特撮、外国映画/アニメ、外国映画/特撮

 【日本映画/特撮= ベスト3を「仮面ライダー」番組が占拠!!】
 【外国映画/アニメ= 誰もが納得。「トイ・ストーリー3」の大ヒット。】
 【外国映画/特撮= 3D効果、絶大!!100億円以上が2本も。】


【日本映画/特撮=
 ベスト3を「仮面ライダー」番組が占拠!!】
 
■ 3番組で43.2億円をあげた「仮面ライダー」

 いつもながら「特撮」映画とは、さてどこまでを指すのか迷うところだが、2010年の特撮及び特撮が重要な位置にある作品の興行成績を調べてみて、その結果に驚いてしまった。興収10億円以上の番組は、次の通り。

 「仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド/MOVIE大戦2010」(東映/正月) 15.4億円
 「仮面ライダーW FOREVER/AtoZ 運命のガイアメモリ」「天装戦隊ゴセイジャー…」(東映/8月) 14.7億円
 「仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー/超・電王トリロジー」(東映/5〜6月) 計13.1億円

 …以上。見出しには「ベスト3を、ライダーが占拠」と書いたが、こと2010年に関する限り、特撮映画における興収10億円以上のヒット作は、「仮面ライダー」シリーズしかなかったのである。夏と正月、映画会社にとって重要なふたつの稼働期に市場に出、確実な成績をものにする「仮面ライダー」シリーズは、パッケージ・メディア、関連商品などを含めて、現在の東映の稼ぎ頭であるばかりか、日本映画界において最もコスト・パフォーマンスの高いコンテンツである。
 東映では今年、非・稼働期である5月に、3本の「仮面ライダー」作品を2週間サイクルで上映する「仮面ライダー×仮面ライダー×仮面ライダー/超・電王トリロジー」を市場へ投入したが、これまた堅実な成績を上げ、“ライダー強し”を印象づけた。さらには12月18日から公開された新作「仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブルfeat.スカル/MOVIE大戦CORE」も、ディズニーの3D大作「トロン:レガシー」を上回るスタートダッシュを見せ、2011年4月1日からは「仮面ライダー生誕40周年記念映画」がお目見えする!

 興収10億円未達の作品としては、「大怪獣バトル/ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」(ワーナー/正月)6.25億円、「侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー 銀幕BANG!!」(東映/1月)4.7億円、「劇場版 怪談レストラン」(東映/8月)3.7億円、「鉄男 THE BULLET MAN」(アスミック・エース/5月)2000万円(のべ46ブック)、「恐怖」(東京テアトル/7月)1400万円(のべ25ブック)といったところ。
 なお「ゼブラーマン/ゼブラシティの逆襲」(東映/5月)と「GARO THE MOVIE 3D/RED REQUIEM」(東北新社=ゴー・シネマ/10月)については、興収非公開である由。後者は映画館の3D上映環境が整い、「ハリー・ポッターと死の秘宝PARTI」の3D上映が中止となり、各地で3D上映が現在も続いていることから、興収は1億円を上回ったものと推測される。
 なお筆者が作品を未鑑賞で(すんません)、特撮映画のカテゴリーに入れるべきかは分からないが、「ゴースト/もういちど抱きしめたい」(パラマウント=松竹/11月)が、8.35億円をあげていることも明記しておこう。

【外国映画/アニメ=
 誰もが納得。「トイ・ストーリー3」の大ヒット。】
 
■ 「ファインディング・ニモ」は破れなかったが…。

 外国映画のアニメ作品で、興収10億円を突破したのは、以下の3番組。いずれも3Dバージョンの上映が行われている。

 「トイ・ストーリー3」(WDS/7月) 108億円
 「カールじいさんの空飛ぶ家」(WDS/正月) 50億円
 「怪盗グルーの月泥棒」(東宝東和/10月) 12億円

 「トイ・ストーリー3」の興収における3D上映比率は82%で、「カールじいさん…」の48%を大きく上回った。ディズニーとしては、ゴールデン・ウィークに「アリス・イン・ワンダーランド」があったことで、ホリデイ・シーズンにおけるディズニー作品=3D映画というイメージを、興行者にも観客にも定着させた。これは現在公開中の正月作品「トロン:レガシー」、2011年春休みのアニメ「塔の上のラプンツェル」と続き、続々と製作されるディズニー、ピクサーなどの作品が、3D映画として連続公開されることによって、よりイベント的な広がりを見せることだろう。
 また「トイ・ストーリー3」の場合は、単に3Dによるイベント性のアップだけではなく、誰もが納得できるクォリティの高さと、エモーショナルな内容が、多くの観客を魅了した。興収108億円は、1作目14.87億円、2作目35.25億円を上回るシリーズ新記録。惜しむらくは、ディズニー=ピクサー作品の興収記録(110億円)を持つ「ファインディング・ニモ」(2003年12月公開)を、わずかに下回ったことである。

■ 高評価の「ヒックとドラゴン」は、長期興行に

 以下、興収1億円以上の作品を、収入順に羅列する。
 パラマウント配給の「ヒックとドラゴン」は評価の高いアニメ映画だが、興収は8.9億円といささか伸び悩んだ感がある。作品のクォリティの高さをアプローチしようにも、3D映画は試写会の開催会場なども限定され、宣伝活動をなかなか自由に行うことが出来ない。「ヒックとドラゴン」の場合、興行が中盤にさしかかってから「面白い」との声が目立ち始め、配給サイドがそれに対応してファーストラン終了後も、スケジュールの空いた映画館で上映を続けたが、それでもこの成績というのは、やはり物足りない。
 ディズニーが3月に公開した「スパイアニマル・Gフォース」は、興収6.4億円。同時期に、これもディズニーが配給した「プリンセスと魔法のキス」は、興収5億円であった。一方2月にギャガが配給した「コララインとボタンの魔女 3D」は、タイトル通り3D上映を前提とした作品で、全127ブックすべてが3D上映。1本だけの2Dバージョン・プリントは、3D上映の設備のない早稲田松竹と恵比寿ガーデンシネマで上映され、2D、3Dトータルで興収2.8億円をマークした。

 またまたディズニーの正月作品「ティンカー・ベルと月の石」は、興収2.5億円と公開規模から考えてまずまず。10月に全国公開された、ワーナーの3Dアニメ映画「ガフールの伝説」は、興収わずか1.9億円にとどまったが、同じく10月に小規模公開された、ディズニー・アニメの名作「美女と野獣/ディズニー・デジタル3D」は、興収1億円をものにした。なお第3作公開を前に、2月に3Dバージョンがリバイバル公開された「トイ・ストーリー 3D」「トイ・ストーリー2 3D」は、興収7500万円をあげている。
 ここにあげた11番組12作品のうち、実に10本が3D上映を行ったことになるが、アニメ映画と3Dは相性が良く、2011年もディズニーを中心に、さまざまな3Dアニメが市場に登場することであろう。

【外国映画/特撮=
 3D効果、絶大!!100億円以上が2本も。】
 
■ 「アバター」155億余円、「アリス…」118億円

 例年外国映画に関しては、アニメと特撮をひとつのカテゴリーにしていたのだが、今年は分けざるを得なくなった。これまた3D映画の興行効果によって、ここ数年不振であったハリウッド映画のVFX大作が、息を吹き返した(と言うより、無理矢理「吹き返させられた」と表現したいが…)のだ。前年には7本だった外国映画の興収10億円以上特撮カテゴリー作品が、今年は9本に増加。しかも上位2作品は、興収100億円を突破する、メガヒットとなったのだ!

 「アバター」(フォックス/正月/10月公開の「特別編」を含む) 155.85億円
 「アリス・イン・ワンダーランド」(WDS/4月) 118億円
 「バイオハザードIV/アフターライフ」(ソニー・ピクチャーズ/9月) 46.5億円
 「2012」(ソニー・ピクチャーズ/2009年11月) 38億円
 「インセプション」(ワーナー/7月) 34.88億円
 「タイタンの戦い」(ワーナー/4月) 15.73億円
 「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」(フォックス/2月) 14.18億円
 「アイアンマン2」(パラマウント/6月) 11.8億円
 「魔法使いの弟子」(WDS/8月) 10億円

 9作品中、3D上映されたのは上位3作品と「タイタンの戦い」の、計4本。「アリス…」の興収中3D比率は85%を占めている。こうしてタイトルを並べてみると、巷で囁かれていた(雑誌の特集にさえなった)「日本人観客のハリウッド映画離れ」が、嘘のようだ。「アバター」「アリス…」が3Dを前面に押し出して、興行のイベント・アップを図る一方、「バイオハザードIV…」では、3Dに加えて日本発のゲーム・キャラ、日本が物語の発端になる“ご当地感”を巧みに宣伝面で演出し、予想を上回る大ヒットを記録した。
 その対局に当たるのが「インセプション」で、ワーナーから3D化を打診されたクリストファー・ノーラン監督はこれを拒否。3Dブームまっただ中に2Dのみ、しかも内容も、一度見ただけでは理解できない難解さ。デカプリオ、渡辺謙と著名なスターが出演しているにも関わらず、単なるエンタテインメントではなく哲学的なイメージの漂う作品であった。ところがそれ故、ディテイルにまでこだわったノーラン監督の演出にハマる観客が少しずつ出始め、最終的に息の長い稼働となった。ただし、その哲学的イメージの強さ故ローカルでの稼働が今ひとつで、リピーターの存在が、ローカルでの成績を挽回するところまで行かなかったのは残念だ。興収34.88億円は、サマーシーズンの勝負作としてもう少し欲しいところだが、あの「ダークナイト」をもってしても、興収16億円であったことを考えると、「インセプション」は健闘したと言えるだろう。 

 ワーナーが「ハリー・ポッターと死の秘宝PART1」の3D化を見送ったのは、「タイタンの戦い」「キャッツ&ドッグス/地球最大の肉球大戦争」「ガフールの伝説」と、3D大作が軒並み想定以下の興行成績になったことが影響していると、筆者は見ている。特に「タイタンの戦い」は、同時期公開の3D映画「アリス・イン・ワンダーランド」のあおりで、3D装置を設置した映画館の確保が難しく(当時、大半のシネコンでは3Dは1スクリーンにしか設置されていなかった)、なおかつ2Dで撮影した素材を、ポスプロ段階で3D化(コンバージョン)したことで、クォリティの面でも難があった。
 3Dを推進し、波に乗るディズニーとは対照的に、2010年のワーナーは「インセプション」の3D化拒否の件も含めて、3Dに振り回された格好になった。だが筆者としては「ハリー・ポッター…」の3D化見送りは、賢い決断だと捉えている。確かに3D化をすればイベント性はアップするが、「ハリー・ポッター…」のように固定客が多い作品はそこまでする必要がなく、「タイタン…」レベルのコンバージョンでは、その固定客さえ逃がしてしまう可能性があるからだ。

■ イベント・ムービーだけが、映画ではない!

 以下、興収5億円以上の作品をあげてみよう。
 ディズニーの「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」は、興収6.9億円。「スパイアニマル・Gフォース」といい、ヒットメーカー ジェリー・ブラッカイマーが、2010年は今ひとつ元気がなかった。フォックスの夏休み映画「プレデターズ」は、興収8.82億円と、「AVP2/エイリアンズVSプレデターズ」の10.7億円を下回った。ワーナー=ギャガ共同配給による「第9地区」は4月のマーケットに登場し、興収8.21億円をものにした。ノースター、一見地味な題材から考えれば健闘と言えるだろう。
 東宝東和配給の「ダレン・シャン」は大規模マーケットに出たものの、興収7億円は今ひとつの成績。11月公開ゆえ現在も上映中だが、角川映画の「エクリプス/トワイライト・サーガ」は、興収6億円を見込んでいる。またワーナーの「かいじゅうたちのいるところ」は1月に公開され5.71億円をマークした。
 3Dというハードを獲得したことでハリウッド映画の大作が息を吹き返し、その余波は我が国にも及んだが、さてこの3Dブーム、いつまで続くだろうか。正直に申せば、筆者はそれほど長いブームにはならないと見ている。理由は簡単で、観客が映画に求めるものは、イベント性だけではないからだ。一時的な隆盛と引き替えに、映画というメディアの可能性、多様性を閉ざしてしまってはいけない。
(一部推定/2010年12月17日現在/msdb調べ/ただしクロックワークス配給作品のみ、2010年7月現在)
データ提供に協力してくれた、各配給会社に深く感謝します。
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发表于 2010-12-27 18:02 | 显示全部楼层
2,3位加起來沒有1位高。老宮這個怪物······
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