还是这样好
アクシズや宇宙から見るのとは少し違う、どこか神秘的な月。しばらく目を奪われていたが―――
「―――ん?」
月の中に黒いものが写った気がした。いや、気がしたではなくそれは真実だった。
伝説でしか見られない生物、ドラゴンを模したものがどんどん大きく―――いやこちらに一気に近づいてくる!!!
「起きるんだ坊や!急いでそこをどけ!」
「へ、へぇ!?」
抜けた声をハチローが上げる。しかたない、彼は戦闘に関して素人だ。咄嗟に行動などできない。
そのため、彼はあっけなく死んだ。その間抜けな声が彼の最後の言葉だった。
ハチローは「熱い」と感じる時があっただろうか?
夜の闇空満月の光を切り裂く閃光。夜の闇空を追い払う熱風。
燃える。燃える。燃える。
轟々と唸る炎の中で人の形が燃え落ちていく。人為の結果とは思えない圧倒的な破壊の光景。
少年はまるで紙人形のように容易く燃え上がり、断末魔と呼ぶにはあまりに呆気ない、
冒涜的なほどに呆気ない光景の中で地面に落ちていった。
主を失なったジャイアントロボは糸の切れた人形の様にひざをつき、もう動かない。
「坊や!」
たまらずハマーンは叫ぶ。しかし、竜はそれを見逃さなかった。炎の光の中浮かび上がるアッガイに向かい、まっすぐと飛来する。
ハマ-ンもすぐさま回避行動に移るが―――アッガイ、ましてや地上にいるのではどうしようもなかった。
建物の影にアッガイは入ったが、空から落ちるように迫る竜に対しては何の意味もなかった。
地表ギリギリで向きを変えた竜は顎を拡げ、アッガイに対して垂直に噛み付いた。
「―――・・・……」
グシャリ
アッガイは二つに別れ、もう動かないただの鉄塊となった。ハマーンが最後何かを叫んだのかもしれない。
しかしもうそれを知るすべは誰にもない。それ以前に彼女が何を考えていたのかすら分からない。
竜が訪れ、1分も経たぬうちに、そこには死が撒き散らされた。気まぐれがすんだとでも言わんばかりに竜がまた空へ飛び去っていく。
竜の行いが終わったあとには、何も動かぬ夜の静寂が横たわっていた。
――― 一人一人に物語があるわけではない。ましてや、死に方なんて選べなどしない。
そこには、無常で非常という名の現実の縮図が転がっているだけ。そこに人間の尊厳はない。異議もない。
そんなものはただの妄想だ
――――――現実はどこまでも冷酷だった。