十二国シリ`ズ Lの海 迷mの岸
小野不由美
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Lの海 迷mの岸(下) 十二国
七章(承前)
1
「|泰麒《たいき》、本日は|xm《りきゅう》までお出ましくださいませ」
ついに|l《ていえい》が言ったのは、|夏至《げし》をいくらも^ぎないころだった。
とうとうその日が来たのだと、泰麒は|朝A《あさげ》の|箸《はし》を置く。
「……はい」
朝、いつもより早くに起こされ、|汕子《さんし》が用意した着物も、いつになく豪Aなものだったから、なんとなく|悟《かくご》はしていた。
|蓉可《ようか》がXく背中を|叩《たた》く。
「そんなにoなさることはありませんよ」
「蓉可も|一w《いっしょ》に行くの?」
蓉可は|微笑《ほほえ》んだ。
「参ります。ずっとおそばにおりますから」
「汕子も?」
否定されることを予感しながらうと、案に相`してlはうなずいた。
「もちろんでございますよ。ただ、汕子は|L伏《いんぷく》してまいります。姿はえずとも、必ずg近におりますから」
泰麒は落胆の|溜《た》め|息《いき》をついた。L伏とは文字どおり姿をLしてひそんでしまうことだ。それでは手を握ってもらうことも、背中をなでてもらうこともできない。
「……はい」
|M香《しんこう》の|女仙《にょせん》とl・蓉可をはじめとする十人ほどの女仙に欷蓼欷菩〉坤iき、|蓬]m《ほうろぐう》の果てのTの前で泰麒は足をとめた。
目の前で女仙が|V《かんぬき》を|外《はず》した。
Tが_くまでに、泰麒は外に冥る|荒觥钉长Δ辘绀Α筏趣筏棵月筏蛩激こ訾筏皮い郡、gHに|T扉《もんぴ》が_け放たれると外の|子《ようす》は一浃筏皮い俊
そびえた奇岩とそれがBなってつくるvのうねり、奇岩のgに冥った草地。そこには色があふれている。|天幕《てんまく》がられ、o数の旗が立っていた。打たれた|杭《くい》や垣、そこにつながれたRや珍しい|《けもの》と、そこに干されたR具や欷辈肌¥饯筏啤⒎N々多な容姿、身なりの人gたち。
そこには|忽然《こつぜん》と町が|F《あらわ》れていた。
思わずすくんだ泰麒の手をlがとる。
「ものおじなさることはありません。|菹《きそく》を整えておっとりえていらっしゃいませ」
泰麒は目でうなずき、姿荬蛏欷肖筏粕瞍はをした。
lに手を引かれて足を|踏《ふ》み出したとき、近くの天幕のそばに立っていた男が一行に荬扭い皮饯訾耍膝《ひざ》をついた。そこから波yが冥るようにして、草原に散った人々がざわめきとともにその訾讼イ颏膜い皮い。
泰麒はlの手をしっかり握って、前を行く|女仙《にょせん》のかんざしが|e《ゆ》れるのをすえて、o数のが|S《な》いでいく苦痛をやり^ごした。
「……だいじょうぶですか?」
そっと後ろから蓉可がうてきた。
「はい。……おしゃべりをしてもいいの?」
「かまいませんよ。とにかくおSになさいませ」
「うん」
思ったほど钥啶筏x式ではないらしい。それを思って、泰麒はちょっと息を吐く。
「これが全部?」
このいにはlが答えた。
「いいえ。供の者が半分以上おりますから」
「……よかった」
渡すと、|z《よろい》を着た者が多かった。ずいぶん若い姿もあり、同rに老人の姿もえる。多くが男だが、女の姿も少なくない。
「ずいぶん女の人がいるね」
lは笑う。いつものような笑ではなく、どこかなにかを|控《ひか》えたような笑だったから、lもlなりにoしているのだろうと思った。
「もちろんですとも。……泰麒は王と女王と、どちらにお|仕《つか》えしたいですか?」
「わからない」
Tから|甫渡m《ほときゅう》までは石が敷かれている。そのI|に大荬危大人《おとな》が膝をついて首を|垂《た》れていた。それはひどく不自然なことに思われる。
「……どうしてみんな座っているの?」
「それが礼xだからですよ」
「lはすでに、身分という言~を泰麒がうまく理解できないのを|住钉巍筏撙长螭扦い俊
「ぼくは|挨拶《あいさつ》しないでいいのかな」
「いまはいいんです。おをするときに荬摔胜毪瑜Δ扦筏郡椤お立ちなさいと言ってさしあげてください」
「をしてもいいの?」
「|M香《しんこう》のあとでなら。きっと珍しいおがたくさんけますよ」
「……大きな|《けもの》がたくさんいる」
「|妖《ようじゅう》です。みんなあれに\ってきたんですよ」
「へぇ……」
トラのようながいて、ライオンのようながいて、Rや牛に似たがいる。
「妖も|折伏《しゃくぶく》するの?」
「妖は|生《い》け|捕《ど》りますね。{教して|Z《な》らすんですよ。──さ、足元にお荬颏膜堡啤V肖巳毪盲郡榧に一礼してくださいまし」
周欷蛞回していた目を正面にすと、甫渡mが目の前だった。
蓬]mのほとんどの建物とはちがい、きちんと四方に壁がある。中に一i入って、それで追ってくるが途切れて、泰麒はかなりのところホッとした。
中は|天井《てんじょう》の高い大きな陂gがひとつきり、正面に祭がある。それは寺院の本堂に|荨钉栅螭い》が似ていた。
lに言われるままに一礼し、祭の前まですすんで|香《こう》をあげ、そうして祭の右手、壁沿いにOけられた一段高くなった鏊へ|B《つ》れていかれた。和室でいえば八くらいの上の奥は壁、三方には|御《みす》が下がっている。いまは正面の御が上げられていて、上の奥にある椅子に座ると、甫渡mの入り口から祭までが渡せた。
そこからおとなしく|女仙《にょせん》たちがM香を行うのをながめるうちに、またが|j《から》んでくるのを感じた。ると、mの入り口に大荬稳碎gが集まっている。M香がKわって女仙のほとんどが上に上がってくると、御が下ろされて大きく息をついた。
「もうおSになさってけっこうですよ」
lは笑い混じりにいう。
「……たくさんの人にられるのって、落ち着かないね」
「すぐにおTれになりますよ」
「汕子を呼んじゃ、だめ?」
「|御《みす》が下りているときなら」
lに言われて、汕子、と呼ばわる。すぐ足元からするりと身を起こすように汕子がFれて、その|豹《ひょう》の|身体《からだ》に|腕《うで》をまわしてやっと落ちついた。ねぎらうように^を抱えてくれる腕が温かい。
「よほどoしてらしたんですね。そんなに|浴钉た》くなる必要はないんですよ」
lは苦笑混じりだった。
「……^ではわかってるんだけど。──これからどうするの?」
「|N山《しょうざん》した者が|M香《しんこう》に入ってきます。かえるまでここでそれをながめていらっしゃってもYですが、退屈なら外においでになってN山の者とおしになってもYですよ」
lがいっているgにも、mにM香する者が入ってきた。最初のひとりが妙に预い筏挨丹羌の前にMみM香を行う。
「泰麒、王荬希俊
lに耳打ちされて、泰麒は首を横に振った。わからない、の意だったが、lはちゃんと了解してくれたようだった。
「これから泰麒には、ここまでしばしばおいでいただかなければなりません」
「こうやって、王がいるかどうか、{べるんだね」
「さようです。もしも王がおられたら、あたしたちに耳打ちしてくださいまし」
「……はい」
M香をKえた男が上の正面までってきた。一礼しての下で|膝《ひざ》をついた男は、父Hくらいの年代の男だった。|相洹钉工猡Α啡?辘韦瑜Δ颂っていて大きい。下の|女仙《にょせん》と言~を交わす彼の声をきながら、泰麒は颐に意Rを|凝《こ》らす。|天《てんけい》が──それがどういったものかはまだわからないが──ないかどうか。
lが目でうてきたので首を横に振った。
天と思われる涫陇悉胜摔窑趣钠黏长椁胜った。
2
|泰麒《たいき》はおとなしく|M香《しんこう》をながめていたが、二日で|《あ》きた。
四日目にようやく外に出るQ心がついた。
M香は午前の短いrgだけに行われる。泰麒は上に座って、それをながめる。最初のうちこそ|女仙《にょせん》ではない人gが珍しく、j多な容姿や身なりをながめているだけでSしかったが、すぐにただ座っているのが苦痛になった。
正午前にはmにってもよかったが、ただ座っているrgのLいこと。
「……外に出てもいい?」
泰麒がくと、上の|女仙《にょせん》は全Tが|嬉《うれ》しそうにした。彼女たちもまた退屈していたのだろう。
「もちろんですとも」
|蓉可《ようか》は好妞诵Δ撙颏郡郡à皮い俊
「ひょっとして、ぼくがそういうのを待ってた?」
「そうでもありませんけどね」
蓉可は笑う。
「ちょっと|《あ》きていたのは事gです。なにしろ、今朝ももう六回は|南瓜大夫《かぼちゃだいぶ》のをましたから」
女仙たちは一扭巳踏有Δい颍漏《も》らした。
|M香《しんこう》の者のなかには、日に锥趣趣胜やってくる者もあった。最初の日、一番めに入ってきた男がその代表で、叭仗麒がるまでに十度はM香にやってくる。どこかの大夫らしいが、赤らが丸くて南瓜に似ているというわけで、女仙たちによって|密《ひそ》かに南瓜大夫の名を献上されていた。
「外に出てもだいじょうぶだと思う?」
|l《ていえい》も笑みを浮かべる。
「だいじょうぶですよ。あたしどももついておりますし、人も多い。いつぞやのような不心得者がおりましても、周りの者が先を争って助けてくれましょう。なにしろlもかれもが泰麒にいいところをせたくてしようがないんですから」
|蓬]m《ほうろぐう》に忍びzもうとした|愚者《ぐしゃ》が、すでに十人ばかり|蓬山《ほうざん》の外に放り出されていたが、女仙のlもそんなことを泰麒に知らせるつもりはなかった。
「……そう」
「取り欷蓼欷疲挨拶《あいさつぜ》めにされるでしょうけど、ここに座ってるほどの苦行じゃありません。ただ、早々にお言~をかけてやらなければ、とんでもない|L口上《ながこうじょう》をかせられるはめになりますよ」
「言~? しかければいいの?」
「そうですね、もしも王がおられたら、古来のしきたりどおり、礼を」
「|御前《ごぜん》をxれず、|t命《しょうめい》に|背《そむ》かず、忠\を誓うと誓sする──?」
lはうなずく。
「はい」
「もしも、王じゃなかったら?」
「いまは|夏至《げし》、|至日《しじつ》ですから、|中日《ちゅうじつ》までo事で、とおっしゃるのがT例です。中日でしたら、至日までo事で、と」
「次の|安H日《あんこうじつ》までo事で、ということだね」
「さようです」
「どちらか、わからなかったらどうしたらいいんだろう」
lはさらに笑った。
「そんなことはございませんよ」
「|汕子《さんし》も|一w《いっしょ》でいい?」
「|L伏《いんぷく》してなら。ただし、訾扦悉堡盲筏坪簸映訾丹胜い扦ださいまし。RやTを|{《おど》しますから」
上の|女仙《にょせん》は泰麒を取り欷啵格好《かっこう》で、下の女仙の|w《うらや》ましげなを浴びながら外に出た。の下に|控《ひか》えた女仙たちは、今日は一日そこにいて、|M香《しんこう》をする者を守り、|N山《しょうざん》の者たちに辘筏胜堡欷肖胜椁胜い韦馈
N山の季は、玉座をう人々にとってもひとつの大きな祭礼だったが、女仙にとってもまたひとつの祭りだった。
女仙であることを後悔することは少なくないが、寿命がLいだけ人生にも|《あ》いている。夏至を越えて、どの女仙も|身支度《みじたく》にrgをかけるのは、なにも威xを考えてばかりのことでもない。N山の男たちをすましたでからかうのはo条件にSしかったし、そうこうするうちに本荬摔胜盲啤⑾律饯工肽肖纫痪wに下っていく女仙もいたりするのだ。
せっかく表に出たと言うのに、真っ先に|l《か》け寄ってきたのは、くだんの|南瓜大夫だった。mの近くに|控《ひか》えていたらしく、泰麒たちがmから出るなりすさまじい|形相《ぎょうそう》でlけ寄ってくる。
地きをたてて|膝《ひざ》をつき、平伏するHに荬いまって~を地に打ちつけたので、押しした失笑が女仙のみならず出Wれた人々のgからも|漏《も》れた。
「ほ……|蓬山公《ほうざんこう》にはご|C嫌《きげん》うるわしく」
声がうわずっているのがおかしい。
「わたくしは|戴国《たいこく》|垂州《すいしゅう》|司R《しば》、|纹取钉恧悉》と申すもの、そっ……そもそも|R州南磬_《ばしゅうなんようごう》は──」
平伏したまま早口で、しかもつっかえ、とちりながら言われるので、泰麒には延々とAいた口上のほとんどがき取れなかった。
「──ご高を|]《はいえつ》なるは、光阎O。公の万rを祈念いたします!」
泰麒が|困《こま》って蓉可を上げると、蓉可は|眉《まゆ》を上げて泰麒をた。|瞳《ひとみ》の色をiみとって、|叩^《こうとう》平伏した男に声をかける。
「……|中日《ちゅうじつ》まで、ごo事で」
男はぱっとを上げ、巨体の肩を目にえて落とした。
「……そう……そうか。……さようか」
つぶやいたまま|悄然《しょうぜん》としている。蓉可が笑いを|y《か》みしながら泰麒の背を押した。
「さ、そのあたりをめぐってごらんなさいませ」
押されるままに男を何度も降りかえりながらiいた。少しxれたところで、|女仙《にょせん》のひとりが泰麒にささやく。
「いつまでも口上をいておられたので、まさかと思いましたよ、泰麒」
「……口をはさむ|隙《すき》がなかったの」
「ああ、よかった。泰麒の|主《あるじ》があれでは、お世した|甲斐《かい》がありませんもの」
心底|安堵《あんど》した女仙の子に、泰麒は首をかしげる。
「あの人では|j目《だめ》なの?」
「|天《てんけい》があれば、j目もなにもありゃしませんけどね。ただ、にも王があんな|南瓜《かぼちゃ》では、戴国の威xも地に落ちようってもんです。|美丈夫《びじょうぶ》である必要はありませんが、やはり|选钉撙小筏àするにこしたことはなし。せめてもっとあかぬけた御人がようございますね」
「そんな……ものなんだ」
蓉可は笑う。
「|真面目《まじめ》におきにならないでくださいな。要は天の有oでございますから」
泰麒にそういった蓉可に、女仙たちがXくくってかかった。
「あれ、蓉可。そうは言うが古今|西、|h《みにく》い王が立ったしなどあるものか」
「そうそう。に品格が出るということだろう。王になるべきお方は、かけも王に足る品格があるもんだ」
「\目がございますよ」
蓉可が低くささやいて、ぴたりと女仙が静まった。
それを笑って渡した蓉可は、泰麒に向かって身を|屈《かが》める。
「Xはずみなさえずりをお荬摔胜丹い蓼护螭瑜ΑL麒はただ天をお待ちになればよろしいのですよ」
「……うん」
3
大荬稳碎gに取り欷蓼欷俊¥丹蓼钉蓼士谏悉蚵かされたが、|泰麒《たいき》自身にはなんの涫陇馄黏长椁胜った。
|N山《しょうざん》する者は主兢わせて三百余り、玉座をすためにLれたのは主人だが、その菊撙摔C会は等しく与えられている。
泰麒をつけるなり|l《か》け寄ってくる者もあったが、もの言いたげなを向けてくるだけで、しかけてこない者もあった。会せずともそこに王がいればわかるものだと|女仙《にょせん》に言われたけれど、|天《てんけい》を示すものはLれない。
しかけられるにせよ、しかけられないにせよ、いずれにしても期待に氦沥恳をY切るのは同じようにつらかった。
人の切れgに深い|溜《た》め|息《いき》をつくと、|蓉可《ようか》がそれをきとがめてをのぞきこんできた。
「お疲れになりましたか?」
「ううん。でも、たくさんの人をいっぺんにたから」
「|午《ひる》を^ぎましたから、|甫渡m《ほときゅう》にりましょうか? お休みになりたいでしょう。それとも、もう|蓬]m《ほうろぐう》におりになりますか?」
「……うん」
泰麒はうなずいてなんとなく周欷蛞渡し、をとめて蓉可の手を引いた。
「──蓉可。翼のある犬がいる」
ほど近い|天幕《てんまく》の外に、Rに|交《ま》じって巨大な犬がつながれている。数人の男女がその\Tたちの世をしていた。
「|天R《てんば》でございますよ。そばに寄ってごらんになりますか?」
「かまわないと思う?」
「もちろんです」
言って、蓉可は泰麒の手を引き、その犬がつながれた天幕に近づいていく。
犬は大きく、白身に\^、短めの翼を背にたたんだ子が美しかった。
「……これは、|蓬山公《ほうざんこう》。ご健伽饯Δ扦胜摔瑜辘扦搐钉い蓼埂
世をしていた男女のうち、近づいてくる泰麒たちをJめてまっさきに|膝《ひざ》をついたのは大柄な女だった。
「この天Rはそなたの\Tですか」
「さようでございます」
「|公《こう》におせくださいましょうか」
「よろこんで」
女は笑って|天R《てんば》のそば近くへ一行を|促《うなが》す。蓉可に押されておずおずと近づいてみると、天Rはた目の印象よりさらにおおきな生き物だった。
「……大きいんですね」
泰麒がつぶやくと、あらためて天Rのそばに|膝《ひざ》をついた女が答えた。\Tの世をしていた数人のうち、彼女が主人らしかった。
「これでも天Rにしては小柄なほうでございます」
「どうぞ、立ってください。──|触《さわ》ってもかまいませんか?」
「ありがとう存じます。──よろしければ、なでてやってくださいまし。とてもおとなしゅうございますから」
女に言われて、泰麒はちょっとためらいながら手を伸ばしてみる。つややかな毛Kみは触れてみるとかけより硬い。首のあたりをなでてやると、天Rは心地よさそうに目を]じた。
「本当におとなしいんですね。……名前はなんていうんですか?」
「これは|w燕《ひえん》と申します」
|w燕《ひえん》、と呼んでやると、目を]じたまま手に耳の下をすりつけるようにする。
「|y《か》んだりしませんか?」
「だいじょうぶでございますよ。もともと|天R《てんば》は、|妖《ようじゅう》にしてはたいへん菪预韦となしいでございますから。w燕はとくに温和な性格ですし、yんではいけない相手はちゃんと心得ているようです」
「えらいんですね」
泰麒はひとしきり女と天Rのをした。どうやって手に入れたのか、どうやって|《か》うのか。T\した感じはどうなのか。
女の返答は|明t《めいりょう》だった。やわらかな声で、やわらかな言~づかいで、それでもn切れのよい返答は、どこかいものを感じさせる。
gをいえば、泰麒にはまだ|大人《おとな》の年hがただけでは判然としない。いくつぐらいの女なのかはわからなかったが、蓉可や|l《ていえい》の外よりはずいぶん年上にえた。
もっとも、ひょっとしたらそれは彼女の持つ|荨钉栅螭い》のせいかもしれない。|女仙《にょせん》たちの持つ荬趣悉まりにへだたりがあるので、年hまでxれているように感じられるのかもしれなかった。
女仙たちはおおむね、たおやかで|A《はな》やいだ外をしている。ことにいまは|r《あざ》やかな着物を着て、美しいりをしているのでなおさらそうえた。
反に女は|i《しぶ》い色の男物の服、赤茶のは|Y《ゆ》いもせずに|垂《た》らしただけで、装品はいっさい身につけていなかった。上背もあって、幼鳏摔猡胜瑜浃なところがどこにもない。きれいなひとだと思えたが、それは|玉~《ぎょくよう》や女仙たちが感じさせるそれとは、ずいぶんちがったNのものにえた。
「……ありがとうございました」
泰麒はなごりおしくw燕の首から手を放した。
「いいえ。w燕も喜んでおりましょう」
「あなたはどちらからいらしたんですか?」
「わたしは|承州《じょうしゅう》からまいりました。承州将|李取钉辘丹ぁ贰⑿彰を|⒆稀钉辘澶Δ贰筏壬辘筏蓼埂
泰麒は少し目を丸くする。
一国には九州あって、州侯がそれをy治する。州侯にはそれぞれ|掌握《しょうあく》するがあったが、これを州侯、略して州ともいった。の大きさは州の大きさによってちがい、二から四、したがって将もまた二人から四人しかいない。
「将でいらっしゃるんですか」
それでは、女仙とはずいぶん荬ちがうはずだ。
「はい。およばずながら」
莩证沥韦いと吮だったので、落胆させるのは少しつらい。それでもどう考えても|天《てんけい》に相当しそうなものは泰麒をLれなかった。
「……|中日《ちゅうじつ》までごo事で」
李趣仙伽罚自嘲《じちょう》するような笑みを浮かべたが、それだけだった。すぐに元の笑で一礼をする。
「ありがとう存じます。公もご健伽扦られますよう」
「ありがとうございます」
他者をxeすることはつらい。天が泰麒の好の情とはなんのvSもなさそうなだけに、いっそうなにやらせつなかった。
「あの……また|w燕《ひえん》に会いにきてもいいでしょうか」
李趣悉长坤铯辘胜菠诵Δ盲俊
「もちろんでございますとも」
4
|喧W《けんか》に行き合ったのは、|天R《てんば》とeれてあたりを一周した、そのりだった。
前方に人だかりができていた。なにごとだろうと、|女仙《にょせん》たちがささやき交わしたところに、喧Wだ、と声がする。とっさに|泰麒《たいき》は|蓉可《ようか》の|裾《すそ》にすがりついた。
それがどんなNのものであれ、暴力はそうじて泰麒には恐ろしく感じられるのだ。それは血を恐れるのと同じNの恐怖だった。|殴《なぐ》られる|怖《こわ》いのではない。殴るという行樽蕴澶恐ろしく、同rにそれを行う人gが身がすくむほど怖い。
「なんのXぎです」
女仙が|咎《とが》めるように声をかけると、こちらに荬扭い空撙|膝《ひざ》をついた。
「あ……あの──」
|蓬山《ほうざん》の|主《あるじ》は血を|嫌《きら》い暴力を嫌う生き物だから、ここでの流血沙汰は~の|法度《はっと》である。理由いかんによっては蓬山の外に放り出されることもあった。
「ええい、これだから|戴国《たいこく》の者は油断がならぬ。ほんに血の荬多いのだから」
言い韦皮婆仙は人垣に向かう。
国によって、国民性の`いというべきものがある。戴国の民は菪预激しいので有名だった。本来ならその葙|は|泰麒《たいき》の中にも流れているはずだが、なにごとにも例外というものはある。
「おやめなさい! ここをどこだと思っているのです!」
|女仙《にょせん》の声に人垣が割れた。
人垣の中心にいたのは二人の男だった。
一方はLをかざした|i《いわお》のような巨h、一方はそれよりは小柄な、それでも堂々たる体格の|拳《こぶし》をかざした男だった。|佩刀《はいとう》しているが、iいていない。それでも一目で小柄なほうの荬わかる。
目を引いたのは小柄なほうだった。
\い|z《よろい》と白いの比。肌はよく日にけた|褐色《かっしょく》、上背が高く、体格も幼鳏饪证恧筏しなやかで|猛《どうもう》なのような印象を与えた。
人垣の中に|l《か》けこんだ女仙が止めに入るgもなく、私LはKわりを告げた。をかいくぐった拳が巨hをしとめたのだ。
巨hは土をかいたが、起き上がることができなかった。
男は倒れた巨hをやる。
「|蓬山公《ぼうざんこう》の御在所ゆえ、はiかぬ。公にお礼申しあげるがよい」
すこしも葚ったところのない幼鳌葚ったところのない声だった。
冷淡に言い韦皮普瘠辘えった男と泰麒のが合った。
──その|瞳《ひとみ》の|真t《しんく》。あたかも血のような。
思わず蓉可の|裾《すそ》を握ってさがった。泰麒は彼が恐ろしかったのだ。蓉可を引いてその訾蛱婴渤訾饯Δ趣工毪蓼à恕⒛肖韦郅Δ近づいてきて|膝《ひざ》をついた。
「いらっしゃるとは存知あげなかった」
目が|和《なご》んで、少しだけ柔和な印象になる。それで泰麒はなんとかその訾耍踏《ふ》みとどまることができた。それでも蓉可の|衣《きぬ》を握った手に力がこもる。
「o作法をいたして申しわけない。どうかおSしを」
泰麒には返答ができなかった。代わりに蓉可が男に|峙《たいじ》する。
「蓬山で争いごとはお控えなさいませ」
「申しわけございません」
泰麒の|身体《からだ》にまわされた蓉可の手が、なだめるように婴い俊]Xく背中をなでて、やんわりと前に押しだそうとする。
「もうだいじょうぶですよ。|喧W《けんか》はKわりましたし、lも|怪我《けが》などしていません」
含めるように言われて、泰麒はうなずいた。本人を前にして、この男自体が|怖《こわ》いのだとはとうてい言えなかった。
|膝《ひざ》をついた男は|李取钉辘丹ぁ筏瑜辘猡丹椁四晟悉艘える。|o造作《むぞうさ》に束ねて低い位置でくくったは青みをおびた白y、そのせいで年Lにえるだけかもしれなかった。端正な|L貌《ふうぼう》の目元が|怜《れいり》で、まっすぐに向かってくるが|射《い》るほどい。
男は薄く苦笑した。
「すっかり|怯《おび》えさせ申しあげたようだ。お|《わ》びいたします」
「いえ……」
ようやく声が出た。
「少し、@いただけです。……どちらからいらしたんですか?」
「|基《こうき》から参りました。わたしは戴国|禁《きんぐん》、|乍《さく》将と」
周欷稳碎gからXくどよめきが起こったので、有名な人物なのかもしれない。
禁は王直属のだった。必ず三で、これに首都|州侯《しゅうこう》──これは必ず|麒麟《きりん》が任ぜられる──の三を加えて|六《ろくし》という。麒麟はその性|上、の指]などできはしないから、gHには王が麒麟に代わってこれを|掌握《しょうあく》する。それで、六を|王《おうし》ともいった。
「名を|C《そう》。字を|宗《ぎょうそう》と申します」
まっすぐにつめてくるが怖い。なにかを言わなくてはならないと、奇妙な迫Q念に|捕《と》らわれて、言わずもがなのことを口にした。
「……将でいらっしゃるんですね」
同じ将でも|和《なご》やかな印象を与えるさきほどの李趣趣悉沥って、この男はどこまでもしい印象を与える。
それが宗と李趣性の差によるものか、それとも禁将と州侯将という立訾韦沥いによるものなのかは泰麒には判然としなかった。
「はい。技よりほかにとりえもありませんゆえ」
口ではそういいながら、彼が自分のあらゆるものに自信を抱いているのがわかる。身がすくむほどの|荨钉悉》。
一刻も早くこの訾ら逃げ出してしまいたかった。
これまでと同じように自分自身の子をさぐり、どんな浃猡胜い韦虼_Jして、泰麒はひそかに蓉可の|衣《きぬ》を引く。
「……|中日《ちゅうじつ》までごo事で」
やっとそれだけを言って、を断ち切り、|会《えしゃく》をした。それで、彼がそのときどんな表情をしたのかはわからない。
Xいざわめきが周欷らまた起こった。
「乍ではなかったか」
lかのその声で、彼が|泰王《たいおう》に|目《もく》されていたのだとわかった。
5
「──宗? ああ、王の|乍《さく》将ですね」
うたのはその翌日、うた相手は前日に会った|李取钉辘丹ぁ筏趣いε将だった。
彼女は落胆など毛ほどもせず、再び|w燕《ひえん》に会いにいった|泰麒《たいき》をZ待してくれた。|女仙《にょせん》が菊撙仍しこんでいるg、泰麒は李趣蕊w燕のそばに座っている。
「李鹊瞍饨でしょう? お知り合いですか?」
李趣悉いいāと否定する。
「わたしは将といっても|州侯《しゅうこう》の将。宗殿は王直属の将ですから身分がまるでちがいます」
州侯の将と禁の将では、その身分に|泥《うんでい》の差があるといってよかった。禁の将ならば王mにNって王に直接面ができ、朝hにも参加して政治の一端を|担《にな》うことができる。州侯の将がgなる人であるのに比べ、禁の将ともなれば、王の重臣であるといってよかった。
「では、有名な方なんですか?」
「ええ。たいそうな客でいらっしゃるから。兵の信望も|V《あつ》い。|直截苛烈《ちょくさいかれつ》だが礼を知り道を知る方だといております」
言って李趣咸麒を返した。
「──宗殿にd味がおありですか?」
「……昨日、|喧W《けんか》に行き合って……」
ああ、と李趣悉膜证浃い俊
「どこかの命知らずが宗殿を怒らせたときましたが、それですね。あれは相手のほうがい。ひどく宗殿を|侮辱《ぶじょく》したときました。そうでもなければ、たやすく私Lなどなさる方ではありません」
「そうですか……」
李趣悉蓼盲工挨颂麒をる。
「宗殿が王ですか?」
泰麒はあわてて首を振った。
「そういうわけではないんです。ただ、とても|怖《こわ》い感じがしたので……」
李趣弦馔猡胜长趣松伽仿涞à筏郡瑜Δ时砬椁蛞せた。
「ああ……宗殿ではないのか……」
「昨日もそういう声をきました」
李趣闲ΔΑ
「柔和な方ではなかろうが、怖い方でもないようですよ。|立派《りっぱ》な方だと思います。一一万二千五百の兵卒に、ことごとく|尊崇《そんすう》されるのはK大抵のことではありませんから。长馍伽胜はない方だが、味方にはこのうえなく|慕《した》われておられる。──それは、残念だな」
「李鹊瞍向宗殿の味方なんですね」
李趣悉沥绀盲龋w燕《ひえん》の毛Kみをもてあそんだ。
「そう──お会いしたことはないが、尊敬申しあげておりますね。わたしもをあずかるものですから。宗殿が王なら|{得《なっとく》できたと思います」
「そんなにいひとなんですか?」
李趣悉Δ胜氦い俊
「客といえば、一に|延王《えんおう》、二に|宗《ぎょうそう》と言われます」
「へぇ……」
「宗殿に|比肩《ひけん》する者がいないわけではありませんが、彼には人望が|V《あつ》い。才と预取I方を浃à毪韦希希《まれ》なことです」
泰麒はうなずく。
(……けれど、彼には|天《てんけい》がなかった……)
「残念なことです」
これは李趣伪疽簸坤盲俊
禁の乍将がどれほどの|逸材《いつざい》だか、にvSするもので知らぬ者はない。彼が禁の将をIしたのは、禁においては破格に若いだったし、反乱の|伐《とうばつ》に向かった宗を伐された当の民\たちが|誉《ほ》めそやすのも耳にした。
gにいだけの将、gに预韦るだけの将なら他国にもいくらでもいるが、I方を浃à啤なおかつそれが他国にまでQりくほどの人物はめったにいない。
gHのところ、|令坤T《れいこんもん》に|l《か》けつけて、今回の|N山《しょうざん》の者のなかに宗がいるというをいたときに、自分が玉座につくことはあるまい、とそう思った。
温情ある将だ、よくできた人物だと周欷摔だてられ、|担《かつ》ぎだされるようにしてN山したが、李趣趣疲己《おのれ》にたのむところがないわけではない。それでも、世gのLuを信じるかぎり、自分では宗にかなわないと、そう率直に思えるだけのものが彼にはあった。
「本当に、残念だ……」
李趣韦膜证浃に、泰麒は迷いながら言ってみる。
「ぼくは、李鹊瞍王だったらよかったな、と思うんですけど……」
李趣掀祁した。
「これは名誉なことを言ってくださる。ありがとう存じます」
「本当にそう思うんです」
「そうおっしゃっていただけるのは光绚舜妞袱蓼工、あまりgにお心をSされませんよう。|公《こう》に取りいって出世堰_をう|《やから》かもしれませんよ」
|铩钉い郡氦椤筏盲荬つめられて泰麒はきょとんとした。
「まさか」
「どうして、どうして。そういうも多いもの。|N山《しょうざん》の者のなかには、はなから玉座は|B《あきら》めて、これをC会に公や王とよしみをYぼうとするものもおりますから」
「そんなものなんですか?」
「残念ながら。かくいうわたしも、公が|戴国《たいこく》にお下りあそばしたのち、王に召しあげてくだされとう|肚《はら》やもしれません」
泰麒は首をかしげた。
「李鹊瞍悉饯螭史饯扦悉りません。……と、思います」
李趣悉丹椁似祁した。
「公は本当に李趣舞い上がるようなことを言ってくださる」
「そうでしょうか」
「そうですとも」
笑って李趣涎を上げる。Xく衣服についた|藁《わら》をBった。
「おつきの|女仙《にょせん》方はがはずんでおられるようです。──よろしかったら、李趣颏供に召しかかえて、そのあたりをおiきになりませんか?」
八章
1
「|蓉可《ようか》、外に出てきてもいい?」
|甫渡m《ほときゅう》に着くなり、そわそわときかれて、蓉可はほのかに笑った。
「どうぞ。また、|李取钉辘丹ぁ返瞍韦趣长恧扦工?」
「いけない……?」
「いいえ。李鹊瞍悉瑜い人柄のよう。にも将でいらっしゃるのだから、|腕《うで》のほうもmりになりますでしょう」
そうS可をもらい、交代で上にめる|女仙《にょせん》たちに欷蓼欷疲泰麒《たいき》はmを出た。
日が^ぎるにしたがって、女仙たちにも|N山《しょうざん》の者のなかに知りができてくる。ひとりふたりと立ちどまってしこんでしまい、つき兢ε仙の数がpってゆく。蓉可さえもが李趣危天幕《てんまく》がえるあたりで足を止めて、どこからの菊撙攘ちを始めてしまったので、泰麒は残る距xを小走りに急いだ。
|挨拶《あいさつ》に捕まることはpったが、なにやかやとしかけてくる者は|~《た》えない。彼らに捕まらずにgむ一番の方法がとにかく急いでいくことだと学んでいた。
「李鹊睢
声をかけるより先に、李趣天幕から出てきた。
「おいでなさいませ」
「来るのがわかった?」
「|公《こう》がいらっしゃると、|w燕《ひえん》が|嬉《うれ》しそうにQきますから」
「本当に?」
「ええ。存外w燕は、公が|主《あるじ》だとおもっているのかもしれません」
「まさか」
「さあ、どうでしょう。|妖《ようじゅう》は|喋《しゃべ》りませんから、直接いたわけではございませんが」
笑いながら李趣巷w燕の首を|叩《たた》く。
「どうだ? |w燕《ひえん》?」
|天R《てんば》はぷいとそっぽを向いて、泰麒の胸に^をすりつけた。李趣苦笑する。
「ほら。わたしの申しあげたとおりでしょう?」
w燕の毛Kみを|梳《す》かせてもらって、泰麒は李趣龋午《ひる》まで散iに出る。
李趣咸麒の|にていねいに答えてくれて、珍しいものをいちいち示しては|面倒《めんどう》がらずに解hしてくれた。
知り合いにもB介された。李趣|N山《しょうざん》してからHしくなった知人らしいが、そのlもが莩证沥韦いと吮で、李趣趣たりをiくのはo条件にSしい。
「lもかれも|戴国《たいこく》の人なんですね。戴国以外の人はいないんでしょうか」
奇岩の根元に|ァ钉铩筏い咳を取り欷啶瑜Δ冥った訾iきながら、泰麒が|何荨钉胜摔病筏胜うと、李趣陷Xくふきだした。
「──もちろんです。戴国の王は、戴国の者とQまっていますから」
「え、そうなんですか?」
「ご存知なかったのですか?」
李趣仙佟|呆《あき》れだった。
「ぼくはつい最近まで|蓬莱《ほうらい》で育ったので、あまりものを知らないんです」
ああ、と李趣悉Δ胜氦。
「そうでしたね。失礼を申しあげた。──王はその国|出自《しゅつじ》の者、というQまりがあるんですよ」
「じゃあ、ここにいる人はみんな戴国から来たの?」
「そうとは限りませんけれど。生まれが戴国ならそれでいいそうですから」
「へぇ……」
李趣耸证蛞かれてiきながら、泰麒はふと足を止めた。
「李鹊睢とてもきれいな|《けもの》がいる」
泰麒がやった方向を降りかえって、李趣悉Δ胜氦い俊
「ああ、|すう虞《すうぐ》[#「すう虞」の「すう」は「R」偏に「c」]ですね。──あれは事だ」
それは|虎《とら》によく似た生き物だった。すばらしくLい尾の先まで、|不思h《ふしぎ》な五色にxいてえる。天Rがどこか柔らかな印象を与える生き物であるのに比べ、それはあくまで|猛々《たけだけ》しくい。
「すう虞は最高のTですよ。一国を一日で|l《か》けiける」
「すごい」
|女仙《にょせん》から、一国はRでひと月の冥丹坤嚷いていた。
「ええ。しかも主人によく|Z《な》れてとても|利口《りこう》です。勇猛で、訾诉Bれるのにはこれ以上の|《けもの》はいない」
李趣希すう虞《すうぐ》に近づいて|惚《みほ》れるようにしている。
「──わたしもすう虞に会えるといいのですけど」
「すう虞がほしい? |w燕《ひえん》がいるのに?」
「欲しいですね。w燕はZれて|可邸钉わい》いけれど、性格が柔らかいぶん訾诉Bれるのは|不《ふびん》です。わたしは武将だから、どうしてもそれが先になる」
「……そうですね」
「|蓬山《ほうざん》のりにうまく出会えるといいのですが」
「会えたら|捕《と》らえてBれてる?」
李趣闲Δ盲皮撙护俊
「そのつもりです。|公《こう》にお会いするのもSしみでしたが、それもSしみだったのですよ、gは」
「へぇ……」
「私をありったけ投げ出せば|《あがな》うこともできますが、Iった|妖《ようじゅう》は主を|侮《あなど》る。──いえ、そうでなくても、やはりTぐらいは自分の器量で捕らえたいもの」
「そうですね」
李趣希笑《え》んでひとつうなずいてから、すう虞のつながれた|天幕《てんまく》に声をかけた。
「失礼をつかまつる。表のすう虞の|主《あるじ》はおいでか」
「──|都《けいと》のことなら、わたしの\Tだが」
突然かかった声は背後からこえた。李趣象@きを|《あらわ》にして振りかえる。どこか身えるようなしぐさだった。
「……宗殿」
あの男だった。今日は|z《よろい》をつけていない。それでも|佩刀《はいとう》するのは忘れていなかった。忘れようのない、辘伟左と、t玉の目。
李趣咸麒と宗を一度だけくらべてから背筋を伸ばした。
「初におめもじつかまつります。わたしは──」
「|承州《じょうしゅう》の李鹊瞍扦ろう」
宗はXく笑う。する李趣陷Xく目を_いた。
「なぜ」
「将はご高名であられるのをご存じないらしい」
「やっぱり」
思わず泰麒が口をはさんで、李趣怛宗も泰麒を振りかえった。
「あ……、すみません」
宗は|面白《おもしろ》そうに泰麒をうながした。
「やはり?」
「いえ……。李鹊瞍胜椤さぞかし|立派《りっぱ》な将なんだろうな、って。なんとなく、そう思っていたので……」
李趣仙伽奉を赤くし宗をる。
「公はわたしをIいかぶっていらっしゃるのです」
「なんの」
宗は笑う。
「公はお目が高い。そのとおりです。李鹊瞍铣兄にその人ありとうたわれるお方」
「お信じにならないでください、公」
李趣いつになく照れているのがおかしい。
宗もその子をて、Xく笑う。gHそばにいて笑をてしまえば、さほど恐ろしい人物とも思えなかった。
2
「して、|都《けいと》にご用がおありは、|李取钉辘丹ぁ返瞍、|公《こう》か?」
|宗《ぎょうそう》は|泰麒《たいき》と李趣蛞比べる。
「公がごEになりたいと」
「公ならば都にも存はありますまい」
宗は|すう虞《すうぐ》を示した。
g近に寄ってみると、容姿よりもさらに印象的なのはその目だった。信じられないほど}jで美しい色をしている。
「……あの、……このすう虞は宗殿が|捕《と》らえられたのですか?」
「ええ。Tを|《あがな》うのは好きではないので」
「どうしてです? 妖を捕らえるのは危なのではないのですか?」
ふと宗の口角が上がった。泰麒はわずかに身をひいた。どこか太い笑みは、泰麒を意味もなくおじけづかせるものをもっている。
「野にあるものに|枷《かせ》をつけてTにするのだから、こちらも相辘咨をBわねば不公平というものでしょう」
「……ええ……はい」
宗は都をいとおしげになでる。もうあの|怖《こわ》い笑みは消えていた。
「これはわたしが捕らえて|手《てなず》けた。とこれとが、わたしの宝です」
李趣象@いたようだった。
「ご自身で{教なさったのか?」
「なんとか。{教がいゆえ、いっかなわたし以外には|Z《な》れぬ」
笑って言って、宗は泰麒た。
「うかつに手をお出しになりますな。よくよく言いかせてはあるが、万が一ということがある」
「……はい」
「そういえば」
李趣向宗をる。
「宗殿のは先の|泰王《たいおう》からIされたとか」
「ええ」
「大婴拭とうかがいました」
「さて、切れることは_かだが」
であるからには、りではない。──泰麒はそのことに思い至って身をすくめた。
宗は人だから、なにかを|亍钉》ってそれをうけとり、なにかを丐毪郡幛摔饯欷颍 钉》びているのだ。
「……やはり、お手柄で……?」
泰麒のいに、宗は首を振る。
「功ではありません。以前、先王の|御前《ごぜん》で|延帝《えんてい》にのお相手をうC会があって」
「お伽沥摔胜盲浚俊
「けました」
宗は|屈《くったく》なく笑う。
「三本に一本しか取れなかった。先王はそれでも一本とったことを喜ばれて、を下してくだされたのです。──人をして|戴《いただ》いたではない。ですから宝なのですよ」
「やはり|延《えん》王がおいのですね」
「o礼を承知で申しあげれば」
またあの、どこか泰麒をものおじさせる笑みが浮かんだ。
「わたしに五百年の寿命があれば、延王に|後《おく》れはとりません」
言い放つ、|苛烈《かれつ》なほどの自信。
X口を|叩《たた》いていればさほど|怖《こわ》いとも思えないのに、ときおりせる表情が身をすくませるほど怖い。
「わたしも|すう虞《すうぐ》が欲しいのですが……」
|都《けいと》を李趣弦やる。宗はあっさりと返した。
「よい狩訾蛑っている。お|B《つ》れしよう」
「よろしいのですか」
「わたしもここでの用はKわった。あとは|安H日《あんこうじつ》まですう虞を探していようかと思っていたところ」
「都をお持ちなのに?」
「もう一^すう虞がいれば、都を半分休ませてやれる。三^はなくてもいいが、二^は欲しいもの」
「お莩证沥悉铯りますが、狩訾蛎孛埭摔筏皮られなくていいのですか?」
「そんなことをしても始まらぬ。欲しい者が行って捕らえてくればよい」
「狩り尽くされねばよろしいのですが」
宗は薄く笑った。
「なに、どうせ|主《あるじ》になるだけの器量がなければ捕まらぬ」
宗とeれて、泰麒は深い息を|吐《は》いた。自分がgはひどくoしていたのだと知る。
「どうなさいました」
「いえ……」
李趣咸麒のをのぞきこむ。
「公はやはり宗殿が怖くていらっしゃるのですか?」
「李鹊瞍掀荬胜螭扦工汀
「长摔蓼铯护胁坤し饯坤恧Δ省と思います。……そうですね、oさせられる方ではある。正直なところを申しあげると」
「……やっぱり?」
「恐ろしいほど|荨钉悉》のあるお方だ。犬だと信じて莅菠していたら、なにかのおりにgは|狼《おおかみ》だったと荬扭い匹谣浈辘趣工搿そういう感じがございますね」
それは泰麒の感をうまく表Fしているような荬した。
「その感じはよくわかります」
李趣悉膜证浃い俊
「|g《うわさ》どおりの方のようだ。|こ!钉袱螭袱绀Α筏剩荨钉悉》ではない。……王でないのが|惜《お》しまれる」
「そうでしょうか」
泰麒には、宗はなにやら恐ろしすぎるように思われるのだが。
李趣悉Δ胜氦い俊
「王というものは、人柄がよければそれでよいというものではありません。|《やさ》しすぎる王は国を迷わせるし、おくゆかしい王は国を乱れさせる。……本当に宗殿ならばよかったのですが」
「李鹊瞍悉饯欷扦いい螭扦工?」
上げた泰麒に|辍钉长俊筏à啤⒗趣峡嘈Δ筏俊
「宗殿に会って、のこのこと|N山《しょうざん》した|己《おのれ》がuずかしくなりました。──あの方はわたしなどとは|器《うつわ》がちがう」
3
「どうやら今回のN山のなかに、王はおられないようですね」
|蓉可《ようか》が言ったのは、|夏至《げし》をひと月半も^ぎただった。
夜、月は高く、かそけく虫の音がする。
「じゃあもう、明日は|甫渡m《ほときゅう》に行かなくていいの?」
蓉可は|榻《しょうとう》の中を|{《ととの》えながらうなずいた。
|汕子《さんし》はo言で|泰麒《たいき》に着がえをさせている。
「ええ。xmの大扉は]めさせましょう。それでもうlにも望みのないことがわかりますからね」
「あとはどうすれば?」
「どうなりと。外へ[びに行きたいのならば、どうぞ」
「いいの?」
「かまいませんよ。もう人目がございますからね。どうせ|宗《ぎょうそう》殿と|李取钉辘丹ぁ返瞍扦筏绀Γ俊?のおふた方がついておられれば心配ございません。汕子もついておりますし」
なんとなくあれ以来、宗とも必ず会っている。
李趣颏郡氦亭疲w燕《ひえん》と[んでから宗をたずねる。それがいつの|g《ま》にかTになっていた。
あいからわずrにヒヤリとすることがあるが、その感にもずいぶんTれた。Tれてしまうと|蓬山《ほうざん》に男は珍しいから、会わないと物足りないような荬する。
「ええと……」
泰麒は上目づかいに蓉可をる。
「明日は、李鹊瞍闰宗殿は|黄海《こうかい》に|すう虞《すうぐ》を探しに行くんだって」
蓉可は|眉《まゆ》を上げた。
「──それで?」
「……ぼくも行っては……|j目《だめ》だよね、やっぱり」
蓉可は部屋の隅に|控《ひかえ》えた|l《ていえい》と目を交わし、それから息をついた。
「よろしゅうございます。──泰麒のおねだりはめったにあることでなし。ただしお|怪我《けが》などなさって、あたくしどもの|肝《きも》を冷やさせないでくださいましよ」
泰麒は破する。
「はいっ」
むしろ深夜に近いほどの早朝、泰麒は甫渡mから李趣危天幕《てんまく》までを一荬耍l《か》ける。
あたりはまだ暗く、人の姿もほとんどられなかったが、方々にある|篝火《かがりび》のせいで訾厦鳏毪ぁ
「李鹊睿
「──|公《こう》」
すでにそこに|z《よろい》をつけて|都《けいと》を引いた宗の姿もえた。
|w燕《ひえん》に|鞍《くら》をのせながら振りかえった李趣獬酩幛埔るz姿、彼女は泰麒の後ろに|女仙《にょせん》をつけてXく^を下げる。
「行ってもいいんだそうです」
李趣闲Δ盲俊
「それはようございました」
「w燕にのせてもらえますか?」
「もちろんですとも」
追いついてきたlが端然と一礼をした。
「かけがえのない|御身《おんみ》、くれぐれもよろしくおいいたしますよ。李鹊睢Ⅱ宗殿」
李趣怛宗も重々しく一礼を返す。
「おふたりを信じてお出しするのですから、万が一にも公に危のございませんよう。お手数とは思いますが必ず|午《ひる》にはおしくださいませ」
「かしこまりました」
lはうなずき、鞍の用意をされているのが|天R《てんば》とすう虞だけなのをてとる。
「|随尽钉氦い袱澶Α筏悉|B《つ》れにならないのですか」
「随兢务Rでは、|午《ひる》までに行ってって参れません」
李趣困ったように言うと、lもまた|眉《まゆ》をひそめた。
黄海は本当に危な鏊なのだ。|五山《ござん》は守oされているものの、黄海にはo数の|妖魔《ようま》が住む。妖も|捕《と》らえて{教してしまえば主人のいうことをよくきいておとなしいが、野生のそれは、本来、人をuう危な生き物なのである。
しかも黄海には、妖魔以外にもo数の危がある。流砂があり、|瘴荨钉筏绀Δ》をくゆらせる沼があり、落石の多い山がある。
「公にはひとつなくおしくださると、s束くださいましょうか」
李趣仙瞍うなずいた。
「お|怪我《けが》をさせるようなことはけっして」
「我らがお供できればよいが、女仙は|玄君《げんくん》のS可なく五山を下ることができぬ。危な鏊は困ります。狩りをなさるにも、公の安全を第一に考えてくださいますよう。血のAれも困ります。──よろしいか」
「ええ……はい」
李趣侠Щ螭筏勘砬椁蚋?べる。lはそれにかまわず、言~をAけた。
「もしもやむをえず妖魔を|亍钉》ることがあれば、どちらご一方が公をBれてお逃げください。……たとえそれが一方を韦皮毪长趣摔胜辘蓼筏绀Δ趣狻
「……l」
あまりのいいように、泰麒がXくlの|裾《すそ》を引っぱったときだった。
「我々は|物[山《ものみゆさん》に参るわけではない」
宗だった。にはあの|苛烈《かれつ》なものが浮かんでいる。
「妖を狩るとなれば、黄海の|F《ふち》ばかりを|往《ゆ》くわけにはまいらぬ。多少の危はないとは言わぬ。お守り申しあげる自信があればこそ、おTいしたまで。そこまで重々の念のおしよう、いかな蓬山の|女仙《にょせん》方とはいえo礼に^ぎよう」
lは宗をすえる。
「……たいした自信じゃが、|奢《おご》りでないと申せるかえ」
それを返す宗の目のほうがいっそう|烈《はげ》しかった。
「たかが女仙にご心配いただくまでもない。公は我が|戴国《たいこく》の|麒麟《きりん》。公のお身の安全をうに、戴国の民以上のものがあってとお思いか。それこそ女仙方の奢りと思うが、いかが」
にらみあうことわずかののち、lのほうがを|逸《そ》らした。
「……_かに、おまかせいたしましたよ」
「しかと承りました」
|踵《きびす》をlをやって、宗は|すう虞《すうぐ》の|手V《たづな》をとる。
「──日がNってしまう。参ろう、李鹊睢
4
|天R《てんば》はすばらしく速かったが、ほとんど|e《ゆ》れを感じさせなかった。
岩を|跳《と》び护ぁ⑵降丐颍l《か》け、倒木をまたぎ越してもほとんどT者にn膜蚋肖袱丹护胜せらかさは、とうてい游铯伪长摔蓼坤っているとは思えない。|泰麒《たいき》はそれにひどく@いた。
夜目もきくようで、岩や淠兢月光を|遮《さえぎ》る鏊さえ、速度を落とすことなくlけていく。
「……いかがですか?」
|李取钉辘丹ぁ筏摔かれて、背後から泰麒を抱えるようにして|手V《たづな》を握っている李趣蛘瘠辘えった。
「まるで、|麒麟《きりん》みたいです」
李趣夏郡蛲瑜した。
「麒麟にT\したことがおありですか」
「ええ。……浃扦工?」
李趣峡嘈Δ工搿
「おそれおおいUYをなさいましたね。──|w燕《ひえん》も麒麟と比べられては、さぞuずかしゅうございましょう」
「そうなんですか」
「そうですとも。|公《こう》はご自身が麒麟だから、麒麟をXく考えておられるのでしょう。わたしなどは、麒麟にまたがるなど、考えただけで身がすくみます」
「へぇ……」
そんなものなのか、と泰麒は思う。_かに、|景麒《けいき》という人物の背中にまたがっているのだと思えば、とまどう莘证猡ったが、おそれおおいことだとは思わなかった。
「こうして同じ|鞍《くら》にお\せしているだけで、おそれおおい荬いたしますのに」
|微笑《わら》う李趣晤を上げて、そんなものなのだろうか、と首をかしげる。
意を求めてすぐそばを走る|都《けいと》のほうをると、李趣忍麒の会など耳に入っている|子《ようす》もなく|峻《しゅんげん》な表情で前をている|宗《ぎょうそう》の横が目に入った。
まだ、あの|怖《こわ》いものが宗の周欷摔郡坤瑜盲皮い搿1摔希l《ていえい》の言~によほど怒ってしまったのだろう。
|天R《てんば》に|e《ゆ》られて|高P《こうよう》していた莘证すっとしぼんだ。
それは自分のせいだという思いがあったからだった。
|w燕《ひえん》と|都《けいと》は|黄海《こうかい》深く入りこみ、岩山をX々と|l《か》けぬけて|五山《ござん》の北、|恒《こう》山の|麓《ふもと》にまわりこんだ。
|⒎ァ钉丹膜肖摹筏趣筏垦窑温∑黏|B《つら》なる丘で、先をゆく宗が都を止めて|鞍《くら》を降りた。まだ空には月がある。
「──宗殿、ここですか?」
w燕を止めた李趣いに、宗はo言でうなずいた。
泰麒は李趣吮Г降ろされながら、いっかな|荨钉悉》の引かない宗の横をる。
「あの……宗殿」
「どうされました」
宗の|声音《こわね》は突き放すようなきをしている。鞍にYんだ荷をほどきながら、泰麒を降りかえりもしなかった。
その背中に向けて泰麒は^を下げる。
「さきほどは……|女仙《にょせん》が失礼をしました」
宗は手を止めて、息を|吐《は》いた。ふと彼をとりまいた荬|衰《おとろ》えた。
「……公がお|《わ》びになることではない」
「いえ、あの……宗殿にも、李鹊瞍摔獗镜堡摔搐幛螭胜丹ぁ
李趣涎谊のほどよい鏊に|焚《た》き|火《び》の用意をしながら笑う。
「荬摔胜丹毪长趣悉りません。女仙が心配するのも当然のことなんですから」
「いえ」
行ってから泰麒は二人を比べた。
「……ぼくは病荬危麒麟《きりん》なんです」
ふたつのが集まって、泰麒は赤くなる。
「それはもののたとえなんですけれど……」
泰麒はけんめいに言~を探す。
「lは、李鹊瞍潋宗殿をあなどったわけではないんです。そうじゃなくて、ぼくがあんまりmりないんで、心配なんだと思うんです」
李趣先幛椁く笑った。
「公はかけがえなのない方なのですから。そのようにご自分をXくお考えになってはいけませんよ」
泰麒は首を振った。
「いいえ。──|女仙《にょせん》が心配するのは、ぼくには|麒麟《きりん》らしいことがなにもできないからなんです。たぶん、そうなんだと思います。……ぼくは、|使令《しれい》を持っていないんです」
宗も李趣饽郡蛞_いた。一瞬、互いの目を交わす。
麒麟は血を|忌《い》むので、自ら武器を持ってほかと椁Δ长趣できない。それは相手が|妖魔《ようま》であれ、|《けもの》であれひとしく浃铯椁胜った。
そんな麒麟を本人に代わって守oするのが使令で、麒麟はo数の使令を持っているものだというのが常Rだった。使令がいないということは、身を守るすべがないことを意味する。
「それだけじゃなくて、ぼくは|洹钉皮螭冥蟆筏猡扦ないんです」
これは宗と李趣颏丹椁梭@かせた。
「本当なら使令をいっぱい持っていて、使令たちが守ってくれるはずなんですけど、ぼくにはそれができない。逃げるときだって麒麟になれれば逃げられるはずなんですけど、それができないから」
いたらない自分を告白するのは、少しuずかしい。泰麒はo意Rのうちに身を|s《ちぢ》めた。
「それで女仙たちは、とてもとても心配してしまうんです。なんとか|治《なお》してくれようとして、|c国《けいこく》の|台o《たいほ》をわざわざ呼んでくれたぐらいなんですけど」
いたらない自分がどれほど周欷稳碎gの心を痛めさせているか。にもかかわらず、どれほど深い矍椁蜃いでもらっているか。──それを考えるとせつない。
「台oも本当にいっしょうけんめい教えてくださったのに、ぜんぜん|j目《だめ》だったんです。それで──」
宗が大きな手でXく泰麒の^を|叩《たた》いた。
上げると、柔らかなを向けられていた。ときにおじけづくほど|怖《こわ》い宗は、またときに|呆然《ぼうぜん》とするほど|《やさ》しいをする。
「公の使令は、はなからあてにしておらぬ。ご心配めさるな」
「あの……|女怪《にょかい》ならいるんですけど」
宗は|微笑《わら》った。
「それは心い」
大きな、景麒のそれよりいっそう大きな感触の手が^をなでた。
「……はい」
5
「|D《えさ》はなにを使うんですか?」
|泰麒《たいき》は|F《わな》をはっている|李取钉辘丹ぁ筏うた。
「|玉《ぎょく》です。|すう虞《すうぐ》は特に|瑙《めのう》を好みます」
李趣希《にわとり》の卵ほどもある瑙を出してみせた。
「こ、こんなものまで食べるんですか?」
李趣闲Δ盲俊
「猫のマタタビと|一w《いっしょ》です」
「へぇぇ……」
李趣犀瑙を泰麒の|掌《てのひら》にのせて、|宗《ぎょうそう》を振りかえった。
「少し寄せDをまいておきましょう」
李趣希天R《てんば》にwび\る。
「寄せD?」
「瑙の|屑《くず》ですよ。──宗殿、|公《こう》をおいします」
「承った」
|w燕《ひえん》は大きく跳Sして、wびたつ荬い牵l《か》けていく。ようやく|の空がわずかに白む菖浃蛞せていた。
狩りは夜中が最良なのだという。日が高くなれば|妖《ようじゅう》はあまり出iかなくなるらしい。まだ夜明け前とはいえ、けっして条件がよいとはいえないこんなrgに、ふたりが狩をするのはひとえに泰麒の安全を考えてのことである。
宗は岩のgに打った|杭《くい》に|I《なわ》をかけると、Xく手を|叩《たた》いて立ち上がり、|焚《た》き|火《び》のそばの岩の上にL々と寝そべった|都《けいと》のそばへiいていく。
「公、少し休まれぬか」
「はい」
宗は都にもたれて、自分の|を示す。それでおとなしく横に座った。
「捕まえられると思いますか?」
「さて。\次第だろうな」
「都もここで捕まえたんでしょう?」
宗はうなずいた。
「|安H日《あんこうじつ》のたびに通って、六度目だったか」
「正直を言えば。|F《わな》にかけてからが、てこずらせる」
}jな形にめぐらされた|i《くさり》とIがどういうふうにPくのだろう、と泰麒はしばらく想像をたくましくする。
「──公はわたしが|怖《こわ》いか?」
唐突にきかれ、泰麒は@いて宗を上げた。
「……いえ……あの」
「ときおり、しりごみなさるふうをおせになる。ひょっとして死臭でも|染《し》みついていようか」
「そんなことはありません」
「では、わたしには|麒麟《きりん》をしりごみさせるものがあるのだな」
宗は薄く苦笑した。
「麒麟は|仁《じん》の生き物だという。どうやらわたしには仁に|《いと》われるものがあるらい」
「そんなことは……」
「武人ゆえ仕方がないか。仁とはhい役目だから。……もしも公がわたしに欠けたものをご存じなら言ってはもらえまいか。自分のなにがいたらなかったのか、知っておきたい」
宗の声は静かなばかりだった。|淡々《たんたん》と夜に|溶《と》けていく。泰麒は困惑した。
「……あの、そういうことではないと思うんです」
宗はうようなを向けた。
「ひょっとしたら、目の色が……血をB想させて怖いのかも……」
「菖浃辘悉りがたいが、それはあまりわたしにしてH切ではない」
静かに、それでもく言われて宗の目を返した。
「……うまく言えないんです」
「どんなことでも、かまわぬ」
「ぼくは、荬弱いんです。……きっとそうなんだと思うんです。|荨钉悉》に|乏《とぼ》しいとか、もっと自信を持つようにとか、|女仙《にょせん》に言われるのですけど、どうしてもそういうふうなんです」
宗はo言で泰麒をている。
「宗殿はとても自信にあふれた方です。荨ってgを言うとよくわからないんですけど、きっとあれを荬盲皮いΔ韦坤恧Αって。そういう……菖浃撙郡い胜猡韦颏趣どきく表されるんです。──ぼくの言っているの、わかりますか?」
宗はうなずいた。
「それでとても|葆帷钉おく》れがしてしまうんです。|w《うらや》ましいのとはちょっとちがって」
泰麒は|都《けいと》のそばの|焚《た》き|火《び》をつめる。
「……火って、暖かくて明るいものですけど、あんまりいと|怖《こわ》いでしょう? そんなふうにすくんでしまうんです。……たぶんそういうことなんだと思います」
自分でも自分の恐れがうまく理解できない。
「自分が情けなくなるわけじゃないんですけど、乱暴そうで怖いとか、そういう感じとも`います。血をたときに怖いのとも、少しちがう──」
言~を探しても、つけた言~はどれも正しいとは思えない。もどかしくてもどかしくて、泣きたい莘证摔胜盲俊
「|嫌《いや》な感じじゃないんです。大きな火は怖いですけど、きれいだなとかすごいな、って思うでしょう? それと|一w《いっしょ》なんです。すごいなって、思うんですけど、それと同rになんだかすくんでしまって、それで」
ぽんと|掌《てのひら》が^に置かれた。
「お泣きになるな」
「すみません……」
「わたしこそ、|o《せんな》いことをおききしてしまった。申しわけない」
「いえ・・・・・」
宗は柔らかく笑って、泰麒のをなでつけた。
「公はよいお子だな」
「いいえ……そんな……」
「\gでお|《やさ》しい方だ。|戴国《たいこく》はよい国になろう」
「そうでしょうか」
宗はうなずいて、をなでた|腕《うで》を肩にまわしてそのまま焚き火に目を向けた。
それきりなにも言わなかったので、都にもたれる代わりに宗にもたれて、泰麒もまた|a《だま》りこんでいた。
九章
1
「|宗《ぎょうそう》殿!」
火の粉を散らして|松明《たいまつ》の明かりが岩訾耍l《か》けてくる。|李取钉辘丹ぁ筏\せた|w燕《ひえん》がってきた。|の空がようやく白みはじめようとしている。
「宗殿、妙な穴をつけましたが」
「──ほう?」
宗は立ち上がった。
「少しxれた沼地の近くです。出入りした足Eがありましたが、それが|すう虞《すうぐ》のものではないかと」
「z穴かな」
「やもしれません」
「行ってみよう」
李趣希泰麒《たいき》を抱えあげる。w燕に\せた。宗もまた|都《けいと》にT\した。
その穴は岩山の切れg、暗い色の水とも泥ともつかぬものをたたえた沼地のほとりにあった。水Hからずいぶんとxれたところ、わびしいばかりの草がもうしわけ程度に|生《は》えた地面に口を_いている。
降り立ってみると松明の明かりに、穴へ向けて滋酩の足EがAいているのがつかった。
宗は都を止める。たったいま都が残したばかりの足Eを比べてみると、すう虞よりも大きな生き物のようだった。
「すう虞ではないかもしれぬ。──なんだろう」
李趣巷w燕を降りて、穴の入り口をのぞきこんだ。
大きな石がMみ合ってできた穴の入り口は、李趣伪痴嗓郅嗓猡った。穴というよりは岩と岩とが|y《か》み合って、その|隙g《すきま》が作った|隧道《すいどう》というべきだろう。
|隧道《すいどう》は少し行った先で曲がっているので奥はえない。
「さきほど少し|踏《ふ》みこんでみましたが、そうとう奥が深そうです。──入ってみますか?」
「|o《りゅう》が出るやもしれぬぞ」
「そういえば、|黄海《こうかい》のそこにもomがあるとか」
宗もまた穴の奥をのぞきこむ。
「そう言うが、さてな」
「黄海の底に向かうにしては少し小さいようですね」
「……さて、どうしたものか」
李趣仙伽罚怪《けげん》そうにした。
「入ってみないのですか?」
宗は返答する代わりに泰麒をる。
「どうなさる?」
「あの……わかりません」
「では、少々中をのぞいてみるか」
李趣悉工扦酥肖靥い撙长螭扦い俊
「先に参ります。宗殿には|公《こう》をおいいたします」
「わかった」
泰麒はXい不安に|捕《と》らわれる。宗を上げた。
「ええと……」
「|怖《こわ》いか?」
首を横に振ろうとしてやめた。泰麒は正直に言った。
「……少し」
「──どうなされました?」
李趣悉工扦饲がり角にかかっている。
「いま、行く。──公、わたしからxれぬよう」
「はい……」
それは岩山の下をいているように思われた。少しずつ下りながら|u余曲折《うよきょくせつ》をRり返していく。Lはないが、炎が|e《ゆ》れる。空荬通っている^だった。枝道と呼べるほどの枝道もなかった。
「……Lいな」
宗の声はこだまする。先を行く李趣足を止めた。
「行き止まりです」
示した先は小さな訾摔胜盲皮い搿iいてきた|隧道《すいどう》の床とは泰麒の背丈ほどの段差があった。
李趣隙尾瞍蝻wび下り、岩の起伏がeみ重なった訾蛞まわした。
「……浃坤省なにもいない」
「いないはずがない。かすかになにかの臭荬する」
泰麒は|眉《まゆ》をひそめた。宗の言うとおり、なにかの|臭《にお》いがする。
それはひどく|嫌《いや》な臭荬坤盲俊¥胜摔浃樾仳Xぎを|T《さそ》う臭い。
李趣訾未裁妞颏胜寡窑蛏悉晗陇辘筏啤|斜《なな》めに突き出た平らな岩のそばで身をかがめた。後ろ姿が一iずつhざかるのが、泰麒にはひどく不安な荬した。
「ああ、さらに下る穴がある」
「それか」
宗は泰麒を抱きあげて段差をwび下りる。ひとつ岩を上がると、李趣のぞきこんだ穴がえた。
──その、暗い穴。
「なにか……いる」
泰麒はつぶやいた。
「──え?」
宗も李趣馓麒を振りかえる。足元から|震《ふる》えがたちのぼってくるのを泰麒は感じた。|鼓印钉长嗓Α筏速まる。ひどい胸Xぎがする。
「……りましょう。そこは、よくない」
「どうなさった?」
泰麒は宗の手を引く。李趣讼颏堡皮猡σ环饯问证蛏欷肖筏俊
「そこは|嫌《いや》です」
李趣向宗と目を交わし、それから笑って穴の|F《ふち》に手をかける。
「中がどうなっているか、_かめるだけ」
「いいえ。──いいえ、だめです」
泰麒は李趣蛑工幛耍l《か》け寄ろうとしたが、足を|踏《ふ》み出した|刹那《せつな》、岩のgからなにかがFれて前を|遮《さえぎ》った。
「──行ってはいけません」
「|汕子!」
宗は唐突にFれた|人妖《にんよう》の姿に、とっさに|柄《つか》に手をかけたが、ほかならぬ泰麒がその人妖に抱きついたので力をiいた。ではこれが、泰麒の言っていた|女怪《にょかい》なのかと|{得《なっとく》する。
李趣怏@いて、出Fした白い|人妖《にんよう》に目をっていた。岩に手をかけたまま半身を泰麒のほうへ向けた、その李趣危腕《うで》に突然なにかがきついたのはそのrだった。
李趣仙をあげなかった。悲Qをあげたのは宗のg近にいる子供のほうだった。
「──李龋
@いた表情のまま、李趣危身体《からだ》は^から穴の中に引きずりzまれた。あがく脚が一瞬目の中にきついて、我に返ったときにはすでに李趣巫摔悉胜ぁ
「──李醛ぉぃ。
泰麒の声に|辍钉长俊筏à毪瑜Δ恕⒀à伟陇ら悲Qがいた。
2
|宗《ぎょうそう》は岩訾颍l《か》ける。|李取钉辘丹ぁ筏|住钉巍筏蓼欷垦à蓼邱lけ寄った。
その暗い穴は下へ下っている。かなりの段差がありそうだった。
「宗殿!」
「汕子とやら、|公《こう》を|B《つ》れて逃げよ。|都《けいと》に\って|蓬山《ほうざん》にれ」
汕子はうなずいたが、泰麒はすでに宗のほうへlけだしていた。
「|泰麒《たいき》、いけません!」
走る子供を、汕子は跳Sして抱きとめる。
「だって、李鹊瞍!」
穴を示した泰麒を宗は目で止めた。
「李趣韦长趣稀わたしに任されよ。公は外へ」
「できません!」
宗は泰麒の声には返答せず、穴の底へwび下りた。泰麒は汕子の|腕《うで》をかいくぐる。
「泰麒!」
泰麒は|《ころ》がる荬い扦饯窝à笋lけつける。伸ばされた汕子の手をBって、委かまわず穴の中にwびこんだ。
──断固として、宗だけには行かせられない。
かなりの落差があったが、先回りした汕子が麒麟を受け止めた。
「──泰麒」
「だめ! 逃げない!!」
汕子は思わず泰麒の|身体《からだ》にかけようとした手を引く。なぜかその声に逆らえなかった。
──どうしたこと。
汕子は一瞬、状rを忘れて自分の手をた。
泰麒は汕子の主人だが、いまはなによりも泰麒自身の安全が先する。泰麒をBれてこの危な──危の正体は不明だが──鏊から逃げなければ。多少泰麒のいいつけをoしても、多少乱暴な手段をとっても。
そう思うのに、泰麒をおしとどめた|腕《うで》は、かるがるとかいくぐられてしまった。いまも、思わず手を引いてしまった。
──なぜ。
泰麒には、そんな汕子にかまう余裕はなかった。
穴の底はまるで|R乳洞《しょうにゅうどう》のような冥た斩搐摔胜盲皮い俊C鳏りは宗の持ちこんだ|松明《たいまつ》だけ、床に放り出されたその光では穴の奥行きは|《はか》り知れない。
すぐ前にi刀した宗の背中がえた。そしてその足元、いくらもはなれていないところに倒れた李取
さらにそれから、李趣耍覆《おおい》い|被《かぶ》さるようにした、巨大な|《やみ》。
それはの|K《かたまり》のようにえた。|`首《かまくび》を持ち上げるようにして|鳌钉か》げられたの一部が、まっすぐに李趣颍狙《ねら》っていた。
「──|饕餮《とうてつ》!!」
それは汕子の悲Qだった。
──なんということ。
汕子はまじまじと|妖魔《ようま》を|凝《ぎょうし》する。それをgなる妖魔と呼んでいいものか。非常Rなほどの力と、ほとんどその姿をられぬゆえに、すでに徽hの一部だとさえ信じられている|妖《あやかし》。汕子には守りきれない。──この世のlだろうと、饕餮に|峙《たいじ》して、なにかを守りおおせるとは思えない。
李趣だけをあげた。
「──公、逃げて!!」
「できません!」
叫んだ泰麒を宗が突く。
「公は|戴国《たいこく》に必要な方。ここで死んではならない!」
「ぼくだけ逃げるなんて、できません!」
悲Qがあがった。
振り下ろされた`首が李趣虼颏沥工à啤さらにそのまま宗をuう。
横にwんで倒れた宗の^上を|《か》いて、さらに大きく振りあげられた。
──止めなくては。あの恐ろしい凶器を止めなくては。
(どうやって?)
考えるより先に|身体《からだ》が婴い俊
──印i刀。
「R兵L者皆烈前行《りんびょうとうしゃかいぢんれつぜんぎょう》──!!」
(止めるだけなら)
影がぴたりと婴を止めた。
(それから……どうするんだったか)
|叩n《こうし》。──これは震えでままならない。
|《やみ》の一部が振りかえった。低い位置に|松明《たいまつ》の火を照り返す二つの目がある。
が合った。──合ってしまった。
「……逃げてください」
その|双眸《そうぼう》をにらみ返したまま。いったいどれだけ持ちこたえられるか。
「汕子、李鹊瞍颉
「──泰麒」
「李趣颍B《つ》れていって!」
──まただ、と汕子は|ny《はが》みをする。
泰麒の言~に逆らうことができない。
汕子は倒れた李趣耍l《か》け寄った。
血に濡れた身体を抱えあげてlけり、泰麒に|一瞥《いちべつ》をくれて穴の外にwび出していった。
「……宗殿も。いまのうちに、逃げてください」
倒れた宗は野の中にいない。|怪我《けが》はないのか、_かめる余裕さえなかった。
淀んだ血の|K《かたま》りのような、ふたつの目を返す。
「おいです……!」
低い声で返答があった。
「できぬ」
もう一度╊するゆとりが、泰麒にはなかった。
がR力を持つものであることを、初めて知った。
押し寄せる力と、押しす力と。
ふたつの力が充氦筏瓶斩搐沃肖rgが鼋Yした。
3
(汗が……)
ふたつの目を|据《みす》えたまま、もうどれだけのrgがUったのかわからない。
|~《ひたい》が流れた汗が|鼻梁《びりょう》に沿ってなかれていく、その感触。
ただひたすら浅い息をRり返して。
(……~)
|眉g《みけん》がいつからか|疼《うず》く。幛ぃ浴钉た》いものがそこに|埋《う》めこまれている。
|疼痛《とうつう》をVえる鏊から落ちていくのは、本当に汗だろうか。
(もう、目が)
力はとうに失っている。
押し寄せてくる力をたよりに相手の目があるはずの鏊を据えているだけ。
その力の方向を探る|g《すべ》さえ失われようとしている。
(rgは……)
どれだけのrgがUった。
|泰麒《たいき》はさっきからそれをo意Rのうちに荬摔筏皮い搿
(あと……どのくらい)
なぜそれがきになるのかは、わからない。
ふいに抵抗を感じた。
まっすぐに前に向かっていた力が、なにかに|遮《さえぎ》られるような感触。あるいは|粘《ねば》りつくような感触。
(rg……)
なぜrgが荬摔胜毪韦。
さらに抵抗がして、泰麒は目を_いた。
なぜなのかを|悟《さと》った。
それがわかった瞬g、~に|w裂《きれつ》が入った荬した。吸った息が鼻梁の奥から|喉《のど》をく。
|饕餮《とうてつ》のがゆらいだ。粘りがす。力がうまく相手の力を押しせない。|惧《おそ》れた瞬gがやってくる。
──生荬死荬塑じるのだ。
「|宗《ぎょうそう》殿……」
宗はいるのか、いないのか。いるとするならどこにいるのか。
「逃げてください……」
きっともう、いくにらももちこたえられない。
静かな声が背後からこえた。
「……おそれながら、できません。足が婴ません」
小さな|麒麟《きりん》は目を_いた。
荬|逸《そ》れる。
──まさに死荬塑ずる一瞬。
「をいました。婴堡蓼护蟆)ぉい助けください!」
|萎《な》えたにえた|荨钉悉》が一瞬のうちに再燃した。
以前よりもずっと危うい|均衡《きんこう》で、その訾瘟Δ希z着《こうちゃく》した。
(……汗)
|~《ひたい》を护ぢ浃沥皮いもの。
(ほかに……方法がない)
宗の菖浃蚋肖袱搿I婴ひとつなく、それでも自分に注がれている。
(|捕《と》らえるしか、ない)
宗は婴堡胜ぁL麒もまた、婴ことはできない。
(下れ……)
初めて念じた。
(使令に下れ……)
ふいに|《やみ》が身婴をした。──その菖浃蚋肖袱俊
押し寄せてくる力がゆるんだ。
生まれる、わずかな余裕。
(使令に、下れ)
さらに相手の力が弱まった。
|瞬《まばた》きをする余裕。同rに汗で|帷钉摔础筏盲恳野が|澄《す》む。
凶器を振り上げたまま硬直した相手の姿がえた。
い力を放つ|双眸《そうぼう》はそのまま、は形を浃ㄊ激幛俊
それは震え、|萎s《いしゅく》し、巨大な空洞を氦郡工郅删薮螭使恧塑じた。
恐怖は感じなかった。さらに余裕が生まれた。金属で固めたようにりめた自分の|四肢《しし》をようやく意Rした。
「下れ……」
|《やみ》はさらに|凝s《ぎょうしゅく》するようにして、あまりに大きな牛の姿へ。
さらに、|虎《とら》へ。
さらに、|大《おおわし》へ。
さらに、|大蛇《だいじゃ》へ。
|千渫蚧《せんぺんばんか》。──その|こ!钉袱螭袱绀Α筏扦胜ちΔ危^《あかし》。
やがて目の前に端座した小型の犬が姿をFした。
「……|使令《しれい》に下れ……」
大|天井《てんじょう》を指した手で天を受ける。
ふと、を押ししてくる力が失せた。抵抗を失ってなにかがまっすぐに|l《か》けていく。天を受けた|掌《てのひら》から巨大な力が流れzんできて|束`《そくばく》を引きちぎってlけiけていく。
「──|鬼魅《きみ》は|降伏《こうぶく》すべし、|《おんみょう》は|和合《わごう》すべし」
掌から音の洪水がYに押し寄せてきた。
ゴウ。_、、y、号、I、豪、。
音がuいてYに形を描く。
人。あそぶ。出る。Lに。旗、なびく。|鞭《むち》、打ち。|叩《たた》く、水。──あふれて。
「|急急如律令《きゅうきゅうにょりつりょう》──!!」[#入力者注:(上)1898行目での「急急如律令」のフリガナは「きゅうきゅうにょりつれい」]
ただひとつの直感。
「下れ! ──|傲E《ごうらん》!!」
犬が立ち上がった。
|半《なか》ば|朦V《もうろう》としながら芝犬のようだ、と思う。するとは、iくにつれてさらにsまり、茶色の毛KみをFした。
子犬なら、もっといいのに。足の先だけが白い犬。
──思うと本当にそのように浃袱俊
泰麒の足元にそれがやってきて再び端座したとき、それは故国でた芝犬に寸分|`《たが》わなかった。
「……傲E」
身を|屈《かが》めると、子犬は泰麒を上げて尾を振る。手を差し出せば、温かな舌で指先をなめた。
抱きあげて抱きしめる。すとんと足腰が|萎《な》えて、泰麒はその訾俗りこんだ。
4
「信じ……られない」
人ではなかった|己《おのれ》のg感。
|泰麒《たいき》は人ではなく、|《けもの》でもなく、巨大な──あまりにも大きな力の一部だった、その感触。
(ぼくは人ではない)
|麒麟《きりん》であるということの_信。
(本当に、人ではなかったんだ……)
麒麟と呼ばれるものがどういったNの生き物なのか、直感した。
天の一部であるもの。だからこそ天意を理解し、具Fできるのだということ。
──迷いがあった。どこかで自分が自分以外のものであることを、信じきれていなかった。
やっと理解した。
自分が、いままで「自分」だと信じていた|M《わくぐ》みを大きく|超《こ》えた生き物であること。それは天に直Yし、|卑小《ひしょう》な自分の|!钉ら》のなかに、大きな力を注いでくれる。
「わたしこそ信じられぬ……」
ふいにどこか|掠《かす》れた声がして、ようやく泰麒は我にかえり、この訾摔い毪韦自分だけではなかったことを思い出した。
あわてて振りかえると、|宗《ぎょうそう》は岩のgに座ったまま|呆然《ぼうぜん》としているようにえた。
「|饕餮《とうてつ》をからめとる麒麟があろうとは……」
泰麒は|萎《な》えた足で立ち上がった。
今になって足が震えて、まっすぐにiくことが困yだった。
「だいじょうぶですか? お|怪我《けが》は」
「いや……」
|腕《うで》に|傲E《ごうらん》を抱いたまま、ぺたりと宗のそばに座りこむ。|松明《たいまつ》の明かりはすでになかったので、身を|屈《かが》めた。どこか岩のw裂から光が|漏《も》れているらしく、穴の中は暗いものの、真の|暗《くらやみ》というほどでもない。
の程度を|y《はか》ろうと、を近づけてまわしたが、宗の|身体《からだ》のどこにもは|出《みいだ》せなかった。
「痛みますか? どこか|折《お》れたんでしょうか」
|仰《あお》ぎた宗は、しかし首を振った。
「どこも。──どこにも|怪我《けが》などありません」
血の色のまなざしが意味深い。
「……|嘘《うそ》を申しあげて失礼をした」
泰麒はきょとんとし、それから宗の意を理解した。
「宗殿……」
逃げよ、とく言われたとき、宗にはわかった。
──婴い皮悉胜椁胜い韦坤趣いΔ长取
自分が婴堡小⒈丐禾麒の荬ゆるむ。ゆるんだ瞬gにすべてがKわってしまうだろう。全身全で|饕餮《とうてつ》を|留《とど》めている|麒麟《きりん》に、|安堵《あんど》する|隙《すき》を与えてはならなかった。
そしてまた、身婴をしてはならない。
断固として麒麟の荬蛏らすようなことをしてはならないのだと、そう了解していた。
それでその訾摔袱盲茸り、菖浃してただ泰麒を|据《みす》えていた。
小さな子供がどういった方法でか、名にしおう|妖魔《ようま》を押しとどめているのをaってつめながら、泰麒が|荨钉悉》と呼んだものを理解していた。洞窟に氦沥郡猡韦颉それ以外のどんな名前で呼べばよかったのか。
そうしてたぶん、泰麒と同じ莘证g感していた。
自分でも@いたことに、宗は目の前の子供に|畏《おそ》れを感じていたのだ。
「お助けくださり、ありがとうございました」
「いいえ」
泰麒は首を振る。
宗を背後に|庇《かば》っていなければ、自分は必ず|傲E《ごうらん》の荬耍住钉巍筏蓼欷郡坤恧Α
だがしかし、泰麒がくじければ宗の命もなかったのだ。逃げもせず婴もせず、じっと座って留まっていた。その|胆力《たんりょく》に感@する。
「ぼくのほうこそありがとうございました。……宗殿はすごいなぁ……」
「その言~はご自身に言ってさしあげなさい」
宗は|微笑《わら》って、泰麒の汗を含んで重くなったを|梳《す》く。
「事なことだ。……|戴国《たいこく》はよい麒麟を得た」
泰麒は目の前で柔らかなを向けてくる男を上げた。
(ぼくは、まちがいなく麒麟なんだ……)
ねぎらってくれる手が本当に|《やさ》しく、それでかえって胸の中に穴をあがたれるような荬した。
(では……宗殿は_gに王ではない)
5
「ええい、なにが起こってかい」
|l《ていえい》は预|爪《つめ》を|y《か》む。かたわらに立った|蓉可《ようか》はすでに色がなかった。
「まだ|李取钉辘丹ぁ返瞍荬つかいでか!」
李趣菊撙悉ろおろとするばかりだった。
明け方、|人妖《にんよう》が抱えてってきた李趣摔弦庾Rがなく、ただo惨な|痕《きずあと》だけがあった。当の人妖は李趣蛑盲と、委のh明をせずにいずこへか消え去ってしまった。
それだけでも|肝《きも》のつぶれる思いがするのに、そのうえ|女仙《にょせん》の|叱《しっせき》。mみになるはずの主人は、夕刻も近いというのにいまだ意Rがらない。
「李鹊瞍蛐扭袱皮出ししたのに、その李鹊瞍って、|泰麒《たいき》がおりにならぬとはどういうことかえ」
そうは言われても、ただ平伏するしかありはしない。
「もしも万が一のことがあってみや。そのrはその女もおまえたちも、けっして生かしておきませんぞえ」
さすがに周欷闻仙がとがめようとしたときに、ふとざわめきがこえた。
「──なにか」
まわしたlに、女仙のひとりがh方を示した。
「l! ──|すう虞《すうぐ》が、あれに!」
「……|宗《ぎょうそう》殿!」
射しを浴びて白く、すう虞が|l《か》けてくるのがえた。
後ろには|天R《てんば》を兢à皮い搿@趣危随尽钉氦い袱澶Α筏声をあげた。
「|w燕《ひえん》!」
|鞭《むち》のようにLい尾を引いてlけてきた|《けもの》とw燕とは、一足に近くの|天幕《てんまく》をwび越えて、音もなく人垣の近くに着地する。T\した宗と、宗に抱かれた子供の姿がえて、どっとZ声が起こった。
「──宗!」
lは人垣をかきわけ、すう虞のそばにlけつけた。
「いったいなにが起こってか! どういう──」
叫びかけたlを、宗がaるように示す。
「泰麒は……」
「おやすみです。どうかお起こしになりませんよう」
そっと言われて、lはそばに忍び寄った。|惧《おそ》れていたようなもなく、ましてやどんな碾yの|痕《あと》もなく、子供は宗の|腕《うで》の中で眠っていた。lはようやく力をiく。
「……ごo事でいらっしゃったか……」
宗は泰麒を抱いたまま\Tを降りた。
「よろしければ、このままmまでお|B《つ》れいたそう」
「その前に、なにがあったか申してみや。龊悉摔瑜盲皮显Sしませぬぞえ」
宗は笑った。
「|公《こう》は、お疲れになっただけでしょう。|都《けいと》にお\せするや否や、眠ってしまわれた」
「……こんなrgまで。|午《ひる》におしくだされとおいしたはず。お|恨《うら》みしますよ」
「申しわけございません。──mにおBれしてもよろしいか。お起こしするには忍びない。事情は道々」
どこか含みのある言~に、lは周欷蛞渡した。d味深げな|\目《しゅうもく》に荬扭い啤とりあえずうなずいた。
「……ああ、ではおいいたしましょう」
lは|女仙《にょせん》をうながし、先に立ってTへ向かう。宗を|蓬]m《ほうろぐう》の中へ|招《まね》き入れた。
「──それで、どういうことです」
迷路をたどりながらう。
「|折伏《しゃくぶく》にrgが」
lは目を_いた。蓉可をはじめ、背後に兢盲颗仙がざわめいた。
「折伏……? 泰麒が?」
「公ご自身から、|使令《しれい》は持たぬとおきしたが」
「ええ……。そうです。そのことは……」
「むろん、lにも申しあげません。|戴《たい》があなどられるのも我慢がならぬ、しかもすでに公は使令を持っておられる」
lは|微笑《わら》う男と、眠った泰麒を比べた。
「では……?」
「事に使令に下された。夜明け前からにらみ合っておられたが」
lは深い息を吐く。字丐猡我馕钉牵安堵《あんど》した。
「そう……だったのですか。そうとは知らずo礼を申しました。おSしくだされ」
「いいえ」
笑った男の|腕《うで》の中に目をやる。
よほど疲れたのか、こころもち眠った色がい。──だが、そんなことはなんでもないことだ。ゆっくり休ませてやればすぐに回亭工毪坤恧Α
|折伏《しゃくぶく》ができたのなら、|洹钉皮螭冥蟆筏饪赡埭摔沥いない。
これでもう|蓬山公《ほうざんこう》にはない。泰麒がむこともなければ、その訾筏韦の|慰《なぐさ》めを口にのぼらせる必要もないのだ。
「……よかったこと……」
「──さすがは|\麒《こっき》と申しあげるべきか。……|饕餮《とうてつ》です」
lは瞬g、宗を返した。
「いま、なんと?」
「饕餮を|使令《しれい》にくだされた、と申しあげた」
「……そんなばかな」
|女仙《にょせん》のgから悲Qに似た息が|漏《も》れる。
それはありうべからざることだ。饕餮は使令にならない。|麒麟《きりん》に折伏できるような|生易《なまやさ》しい|妖魔《ようま》ではない。
「わたしもおどろきました」
宗は抱えた子供にを落とす。深く眠っているのだろう、|睫毛《まつげ》の先まで死んだように婴ない。
「たまたま|八卦《はっけ》がうまくはたらいたにせよ、Kの麒麟ではあらせられぬ。……先々が案ぜられる」
「失礼な」
「お荬耍障《さわ》ったならお|《わ》び申しあげる。──他意はござらぬ。ただ、あれほどの力があって、o自なのがなにやら不安な荬したまで」
lもまた|眉《まゆ》をひそめた。
「これをC会に、自信を持ってくださればよいが。──わたしを守ろうと必死になってくださったようだが、守るものがなくては必死になれぬのだとしたら、それは危なことに思われる」
「ええ……」
「あれほどの力をお持ちにしては、|荨钉悉》が薄い。ご自分に自信がおありでないのか、それともほかに理由があるのか……。いずれにしても、今後のご成LがSしみなような、不安なような」
「ご心配には及びませんとも」
「そうであらせられればよいが。……これを言うのは戴国の民としてはSされぬことやもしれないが、できるだけLく蓬山におられたほうが公ご自身のためであろう」
lはまじまじと宗をた。
この男は物の道理をわかっている。|天《てんけい》のないのが、|惜《お》しまれるほどだ。
宗は抱えた子供をやった。
「それにしても、事な麒麟だ。……o念だな」
十章
1
「|李取钉辘丹ぁ返睢お加pはいかがですか?」
|泰麒《たいき》が|天幕《てんまく》の中をのぞきこむと、横になっていた李趣|身体《からだ》を起こした。
「──|公《こう》」
|随尽钉氦い袱澶Α筏献钚∠蕖㈤Lい旅があるのだから、持ち\びを考えて天幕はけっして|g《ぜいたく》なものではない。内部のしつらえもごく素で、かろうじて必要なものがそろっているだけだった。ただし、|蓬山《ほうざん》は莺颏よい。とりあえず中の|子《ようす》がえない程度のものでよかったから、薄くXい布地でOけられた天幕は、その分ずいぶんと冥った。
その天幕の置く、やはり素な寝床の上に身を起こして、李趣仙献扭蛞き寄せて|羽《はお》る。泰麒はそれをとどめた。
「どうぞ、寝ててください」
言って泰麒は、|天幕《てんまく》の中に控えていた|随尽钉氦い袱澶Α筏怂差しを渡す。
「今日は|女仙《にょせん》のおつかいで来たんです。──これを」
李趣o礼にならない程度に衣服を|{《ととの》えて^を下げた。
「ありがとう存じます」
随兢摔工工幛椁欷评趣伍g近に座り、泰麒は彼女のをのぞきこんだ。
「の具合はいかがですか?」
「いただいている|仙水《せんすい》のおかげで、すっかり痛まなくなりました」
「……よかった」
息を吐くようにして言ってから、泰麒は首をAけた。
「が残らないといいのですけど」
李趣希微笑《わら》う。
「どうぞそんなにご心配くださいませんよう。仙水もいただいておりますし、もともとわたしは仙人のはしくれですから、たいそうな|怪我《けが》にみえてもたいしたことはなかったりするのです」
泰麒は李趣蛞つめて|不思h《ふしぎ》そうに|瞬《まばた》いた。
「……仙人、なんですか? 李鹊瞍猓俊
「|州侯《しゅうこうし》でも、将になれば|仙籍《せんせき》に入って仙人になります。そうでなければ州侯のおそばに|仕《つか》えることができませんから」
「どうしてですか?」
今度は李趣@く番だった。
「ご存じないのですか? 州侯も人ではなく仙ですから。州侯の城には仙人でなければ出入りできませんし、そもそも州侯はたいへんなL寿でいらっしゃるので、そばに仕える者も、ただの人ではLくお役に立てません」
「はぁ……」
本当に理解できていない|子《ようす》に、李趣希呆《あき》れた。この|麒麟《きりん》はついさきごろまで|蓬莱《ほうらい》で育ったのだとはいていたが、蓬莱には仙人がいなかったのだろうか。
「神仙には本来、寿命がないのです」
「そうなんですか?」
李趣陷Xく|溜《た》め|息《いき》をついた。
「……公も神仙のおひとりですよ。おわかりですか?」
「ぼくも、ですか?」
「そうです。そもそも王が|神籍《しんせき》の方、いったん王になると|r《とし》をとることもなければ、よほどのことがないかぎり亡くなることもない。──少なくとも、ご病荬峭訾なるようなことはまずありません」
「そうだったんだてすか」
「|麒麟《きりん》も神籍の生き物です。王と同じように老いもなければ、|病《やまい》もない。にもいし、めったなことでは亡くなったりしません。もっとも、麒麟だけがかかる病というものもありますけれど」
泰麒はきょとんと目を_いて、しばらくなにかを考えるようにした。
「……じゃあ、ぼく、このままrをとらないんですか?」
「|大人《おとな》になってしまわれると、そのままrをとらないのだといています」
「……それは……ちょっと浃矢肖袱扦工汀
「|女仙《にょせん》たちは自分たちにも老いも病もないので、お教えするのを失念していたのですね。──とにかく、そうなんですよ」
「はぁ」
「仙人は王が任じます。ふつう、王のそば近くに|仕《つか》える者や、|州侯《しゅうこう》、州侯の冉はぜんぶ仙人です」
「王だけL生きでもしかたないですもんね」
李趣峡嘈Δ工搿
「さあ、理由までは存じあげませんが。──仙にも、老いも病もありません。ですが、これは仙人でいるgだけのことです。神籍とちがって、仙籍は出入りができます。仙人になったり、仙人をやめたりできるんです」
「仙人をやめると、普通にrをとりますか?」
「そのようですよ。あまり自らやめる者はありませんけどね。たとえばわたしのように将をたまわって、それで仙籍に入ったものは、将を|辞《や》めたり辞めさせられたりしたときには仙籍を返上します。そういう、王から仙籍をたまわって、王の下でPく仙人を|地仙《ちせん》と申しますが」
「へぇ……」
「それ以外の──自分でをたてて仙人になった者や、王に任ぜられても特に王に仕えていないもの、そういう仙人を|w仙《ひせん》と申しますね。蓬山の女仙はw仙です」
「そうだったのか……」
言って泰麒は息を吐いた。
「前に、|l《ていえい》に|r《とし》をきいたことがあったんですけど、lはえてない、って言うんです。ひょっとしたら、本当にえてないくらいL生きをしてるのかもしれませんね」
「かもしれませんね」
李趣陷Xく笑う。
「──ですから、わたしの|身体《からだ》のことも、さほど心配いただくことはないんです。普通の人よりもずっと丈夫なんですから」
「よかった」
「わたしなどより、公はいかがですか? もうお身体はおよろしいのですか?」
「はい、すっかり。ぼくのは、疲れたのと、ちょっと血をてびっくりしただけですから。本当はもっと早くにお舞いに来たかったんですけど、|女仙《にょせん》がなかなか出してくれなくて」
「……面目ございません」
uじ入ってうつむいた李趣晤を、泰麒はのぞきこむ。
「李鹊瞍韦护い袱悚胜い扦埂¥埭が|麒麟《きりん》のせいなんです」
「……いいえ」
李趣鲜驻蛘瘠盲啤それ以上は口にしなかった。
|黄海《こうかい》を|侮《あなど》っていた。そこに住む|妖魔《ようま》のなかにはとうてい李瘸潭趣摔希太刀打《たちう》ちできない者もいることを失念していた。なまじ|腕《うで》にえがあって、よほどの妖魔でも|亍钉》ってのける自身があっただけに、用心を|怠《おこ》った。
──そうして、同じ将を|n《たまわ》る者として、|宗《ぎょうそう》にする意地がなかったとはいえない。危かもしれない鏊だとどこかでわかっていながら、|P躇《ちゅうちょ》して意莸丐韦胜づよ、と思われたくなかった。
「申しわけございません」
「あの……本当に李鹊瞍韦护い袱悚胜い扦工ら。あんなところに|饕餮《とうてつ》がいるなんて、lにもわからなかったことだし、李鹊瞍献苑证颍盾《たて》にしてぼくを逃がそうとしてくださったんだし、それにあのおかげで、|使令《しれい》を下すことができました」
李趣嵝膜搜预い膜韦胱庸─蛞返す。
「……公はお|《やさし》しくていらっしゃる」
「本当なんですよ」
真なでうったえる泰麒に、李趣希微笑《ほほえ》んだ。
「それよりも仙水をありがとう存じます。おかげさまでなんとか|中日《ちゅうじつ》には下山できそうです」
泰麒はちょっと目を_いた。
「……下山……」
──考えてみれば当然のことだった。
李趣希女仙《にょせん》たちのように蓬山に住んでいるわけではない。次の|安H日《あんこうじつ》は秋分、公_の南|にある|令巽T《れいせんもん》が_く。
逆算してみて、李趣蓬山にいられる日々が半月を切っているのに荬ついた。
……そてし。
李趣危天幕《てんまく》を出、声をかけてくる人々に|生《なま》返事をしながらiいていた足を止めた。
(そして──)
2
「どうなされた」
肩に手を置かれて、我に返ると|宗《ぎょうそう》だった。o意Rのうちにいつもどおりの道をiいていたらしい。
「ああ……宗殿」
──そして、ぎょうそうもまた、それだけしかいられない。
それはひどくeすることがらだった。|李取钉辘丹ぁ筏猢ぉを宗も山を下ってしまう。
ぼうっとしていた自分がuずかしく、|泰麒《たいき》はo理にも|微笑《わら》って、それからふと|眉《まゆ》をひそめた。宗が\い|z《よろい》を身につけているのが目に入ったからだ。それは、|蓬山《ほうざん》で最初に会ったとき、そうして|すう虞《すうぐ》を狩りに出かけたとき、それ以外には身につけられなかったものだ。
「お|身体《からだ》はもうよろしいのか?」
「……はい」
「どうなされた。yしいおをしておられる」
泰麒は一瞬、くちごもり、そして息を吐いた。
「秋分までもうひと月ないな、と思って……」
ああ、と宗はうなずく。
「下山のrになりました。|腕《うで》にえのないB中は数をmみに下ろうと、下山日をQめようとしているらしいが」
「……そうですか」
言って、泰麒はあらためて宗の姿をた。
「どうなさったんですか? zをおつけになって」
「ああ、これは──」
言いさして、宗は泰麒の前に|膝《ひざ》をつく。
「ちょうどお会いできてよかった。わたしはこれから下山いたします」
「──え……?」
泰麒は|呆然《ぼうぜん》と宗を返した。血の荬引くほど、その言~はn牡膜坤盲俊
「李鹊瞍耍挨拶《あいさつ》しようと思っていたところ」
「……これから……?」
宗はこともなげに笑う。
「はい。道中、|すう虞《すうぐ》を探すつもりゆえ。同行したいと申すものも兹摔おりますし。……ひょっとしたら、このままご